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知性の灯・理性の光 〜私なりの理性主義〜

【はじめに】
人間は動物としての「ヒト」として生まれ、その後の成長過程において高い知性と深い理性を獲得して人間らしい温かい心を持った「人」となって行くのだと思います。


【知性とは】
「知性」とは、それまでに獲得した知識群を体系的に駆使し、自身を取り巻くあらゆる状況について考えを廻らせ、自身が置かれている環境を把握し、自身と周りとの関係性を理解する能力であるとされています。

知性は人間だけではなく(程度の差はあれ)、動物をはじめ、命ある存在はみな持っていると考えられています。


【理性とは】
いっぽう「理性」とは、自身の感情の動きを制御し、抑制し、相手を思いやり、周りの人の心の動きを想像し、周りの立場に立って複数の視点で物事を考える事ができる能力です。

理性の源が知性である事は間違いないのですが、知性はどこまで行っても自己中心的な立場で物事を考えているのに対して、理性は相手の心を想像し、相手の気持ちになり、周りの立場に立って物事を考え、常に複数の視点を持って考えを廻らせているところが知性よりも遥かに高度な能力であると言えます。

この理性によって人は社会性を獲得し、円滑なる人間関係を構築し、その中で生きているのだと思います。


【人間らしい心】
人の人間らしい温かい心。それは相手の心の動き(すなわち喜び、怒り、悲しみ、苦しみ、痛みなど)を想像し、それを自身の心と重ね合わせて相手を思いやる事。相手の心を自身の心として感じる事です。

すなわちこれこそが「理性」の働きによる人間的な人間らしい温かく豊かな心だと思います。

そうした「理性」という能力を持っているのは人間だけであるとされています。しかし、すべての人が理性的であるとは言えません。


【まとめ ―理性が欠落した人間とは】
自身の感情の動きを制御し抑制できない人間。相手の喜び、怒り、悲しみ、苦しみ、痛みなどが想像できない人間。他者の心の動きと自身の心の動きとを重ね合わせる事ができない人間。複数の視点(立場)で冷静に物事を考える事ができない人間。

そういう「知性はあっても理性のない」人間。いわばそのような出来損なった人間は、いまこの瞬間にも現実の世界に少なからず存在していると思います。

例えば、歴史上ではナチスのヒトラーなどは、理性が欠落していた人間であったと思います。

そしてそのような人間が、人類・人類史に与える悪影響は計り知れないものがあると思います。


©2024 九條正博(Masahiro Kujoh)
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