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雪駄ちゃらちゃら京の街 〜京のわらべ歌〜

九條です。

今日(2024年8月23日)は、お昼前から仕事で京都市内へ行きました。

今日の京都市内の最高気温は38度(正確には37.5度/アメダス観測データ/15時)でした。ちなみに今日の大阪市内の最高気温は36度(正確には35.5度/同/15時)だったようです。

関西はアツいです!

さて、京都市内にお住まいの方や京都市出身の方はもちろん、関西の人なら多くの方がご存知の「京の通り名」のわらべ歌。

これは、京都の街を東西に貫く通りの名を北から南へ順に歌ったものです。

京都の子どもたちはこの歌で通りの名前と大体の位置関係を覚えました(大阪出身の私も子どもの頃、この歌で京都の通りの名前を覚えました)。

【歌詞】
まるたけえびすに、おしおいけ
あねさんろっかく、たこにしき
しあやぶったか、まつまんごじょう
せきだちゃらちゃら、うおのたな
ろくじょうひっちょう、とおりすぎ
はっちょうこえれば、とおじみち
くじょうとおじで、とどめさす

※別伝
ろくじょうさんてつ、とおりすぎ
ひっちょうこえれば、はちくじょう
じゅうじょうとおじで、とどめさす


『わらべうた2-3-1 まるたけえびす 全体像』(京都教育大学/2分15秒)※動画が始まるまで10秒ほどかかります。


【意味】
丸(丸太町通)、竹(竹屋町通)、夷(夷川通)〔に〕押(押小路通)、御池(御池通)

姉(姉小路通)、三(三条通)、六角(六角通)、蛸(蛸薬師通)、錦(錦小路通)

四(四条通)、綾(綾小路通)、仏(仏光寺通)、高(高辻通)、松(松原通)、万(万寿寺通)、五条(五条通)

雪駄(雪駄屋町通[01])、ちゃらちゃら(鍵屋町通[02])、魚の棚(魚棚通[03])

六条[04](六条通)、ひっちょう(七条通)〔通り過ぎ〕

はっちょう(八条通)〔越えれば〕、東寺道(東寺道または東寺通)

九条(九条通)東寺〔でとどめさす〕

※別伝
六条三哲通り過ぎ
七条越えれば八九条
十条東寺でとどめさす

【註】
[01]雪駄屋町通=現在の楊梅通
[02]鍵屋町通(「ちゃらちゃら」で雪駄の鳴る音と鍵の鳴る音を掛けている)
[03]魚棚通=現在の六条通
[04]六条通は江戸時代には魚棚通と呼ばれていたらしい
※なぜこのわらべ歌で魚棚通と六条通を別々に分けて歌っているのかは謎

この歌の起源については不明ですが、その原型は中世(室町時代頃)まで遡るのではないかと言われています。それが江戸時代になって広く歌われるようになり、現在まで伝わっていると考えられています。

この歌において九条通までしか歌われていないのは、平安京は九条(九条通)までしかなかったからです。明治時代の後期までそのような状況でしたが、1904(明治37)年に十条通が開通しました。

上記のわらべ歌の別伝として、

ろくじょうさんてつ、とおりすぎ
ひっちょうこえれば、はちくじょう
じゅうじょうとおじで、とどめさす

六条三哲通り過ぎ
七条越えれば八九条
十条東寺でとどめさす

があり、現在ではこちらのほうがよく知られているようですが、十条通が歌われている事から、こちらは1904(明治37)年以降に改変されたものと思われます。

皆さまがお住まいの地域では、その地域を歌ったわらべ歌などおありでしょうか?

では皆さま。ステキな週末・休日をお過ごしくださいネ。^_^

©2024 九條正博(Masahiro Kujoh)
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