《読書記録_07》学力の経済学
「学力の経済学」という本を読みました。
教育学については、これまで多くが経験談や思い込みに基づいて語られてきたけれど、本書では、統計学的手法を使って調査・分析した結果から導き出された「教育学」について紹介されています。また、データを使って明らかにされた教育や子育てに関する発見は、評論家や子育て専門家のアドバイスよりも、より価値のあるものだと言われています。
本書で紹介されている発見の一つには、インプットの段階でご褒美をあげることが学力の向上につながるというものがありました。具体的には、「テストでよい点を取ればご褒美」と「本を読んだらご褒美」とで比較した場合、「本を読んだらご褒美」の方が学力テストの結果が良くなったそうです。
また、テレビやゲームについても、1日1時間程度であれば息抜きすることに罪悪感を覚える必要はないそうです。ただ、2時間を超えると子どもの発達や学習時間への負の影響が大きくなることが明らかにされています。
最後に、本書には「勉強しなさい」という言葉に意味がないと書かれており、親が子どもの勉強を見守ることが重要であることや、苦手教科の克服には同性の教師の方が良いこと、そして「自制心」「やり抜く力」が非認知能力の中でも特に重要であることが紹介されていました。