万物は流転する。形にこだわるなかれ
全てのことは通りすぎていく
ああ~…。
『なんじゃなんじゃ。
センチメンタルじゃのう。』
伊弉諾のおじいちゃん。
なんか夏の夕焼けってすごく哀愁を感じるというか、お盆の時期もすごく地元を思い出すよ。
『良いのう。
お前さん、地元のお盆の時期がいっとう楽しかったんじゃな。』
そりゃあね、お祭りはたくさんあったし、お盆で親戚が集まってたし、夏休みだったし、お墓参りも好きだったなぁ。
『良いのう良いのう。
なんだか今のお前さんのこの感じ、とっても柔らかくてよい感じじゃわい。』
大好きなもう戻れない時間と場所があるってなんか切なくなるね。
『全てのものは通り過ぎていくのじゃ。』
万物全て流転する
『万物は全て流転しておる。
自分は動いていないように見えていても、必ず通り過ぎていくものはあるし、自分もまた誰かを通り過ぎておるのじゃ。』
動いてないように見えても自分は動いているんだね。
『さよう。
刻一刻と動いておる。
自分は動いていない!と思っている時でさえ、自分は動いていないと動いておるのじゃ。』
なんだか哲学的な感じだなぁ。
『想いの強さとでも言うのかの。
不思議じゃが、自分は動いていないと強く想っているほどに早く足早に通り過ぎていくのじゃ。』
あ、なんだかそれは分かるなぁ。
自分は動いていないと強く思い込んでいる時こそ、周りが自分を置いてすごい早さで動いているように感じるよね。
『うむうむ。
もしかしたら、そんな時は周りを置いてきぼりにしとるのは【自分だけが動いていない】と感じている自分自身の方かもしれんのじゃよ。』
しがみつくなかれ
『まぁ、そんな風に流転し、全てが動き、通り過ぎ、形が定まっていない。
【形】に拘らんことじゃな。』
【形】が定まっていないからこそいいんだね。
『その通りじゃ。
人はどうしても形を成すことに拘るがな。
形なぞ、いつでも成しておるのじゃ。』
【形】を成さなくても、既にここに在るのが【形】。
『人って肩書き大好きじゃろ。
分かりやすく自分を伝える必要があるからじゃろうが、本来それはその時だけしか効力を発揮せぬ。
【形】があるようで、一瞬で崩れ去るような脆いものじゃ。』
特性を理解して使う分にはいいけども、囚われるものではないね。
『しがみつくなかれ。
【形】を必要としないだけ、我らは自由なのだ。
まぁ、人それぞれじゃがな。
どうしても【形】が無いと不安というなら、それもまたそういう【形】なのじゃ。』