【書籍レビュー】#02 「神に愛されていた」 木爾チレン著
愛されていることに気づくことの難しさ。愛することはどこまでを許されるのか。
他者から自分に向けられる感情を正確に理解することは難しい。特に、それが愛情であった場合、人は疑い、苦悩する。さらに、愛情が濃すぎる場合は、敵意にすら感じることだってある。
作品を書けなくなって久しい作家のもとに、編集社の女性が一人訪れる。そこからはじまる物語は、三人の視点から人生が語られる。人の人生は立場の違う人間からはまったく違う景色が映っている。
ただ純粋に表現し、作品づくりに情熱