花染あめり
記憶に挟まった、栞
演劇に関する投稿はここに。
初めまして 6年間所属していた文芸部を引退し、4年近く筆をとっていなかった が、身近に物書きがいると、書いてみよう、という気になるものだね 好きなものは、アイドル、ゴシックのようなもの、音楽、かわいいものをかわいいと信じて疑わないものたち、コスメ、睡眠、科学、花、そして演劇 自分を形容できる何か、で生きていたくないので服や髪型もTPOや気分によって変えている 演劇も同じで、基本与えられた役を受ける。狂った少女でも、踏み続けられてきた美大生でも、娘を愛した母親でも 僕
逃避行を計画していた 君と、君と私だけの世界で生きたかった でも君が誰にも見つからないのが悔しかった 君は前に進んでいく 後悔している、だからこう生きるんだって、聞きたくもない言葉ばかり紡ぐ 私が突き落としたのだから、死ぬ瞬間まで横を歩くつもりだった 私がいつ死んでもいいようにおともだちが周りにいるようにしたつもりだった ふたりで見つけた宝石箱はいつしか他の輝きも得ていた 間違いなく美しかった、が妬ましくも思った 無条件に君が笑うから、そんな感情は閉じ込めた
確かに、私はあの時「彼女」だった 私だけを照らすスポットライト とても儚く、美しく、吹いては飛んでく花弁であるように、向けられた光 何ヶ月も重なって生きた証 舞台から見た光があんなにも美しい、と思ったのは後にも先にもあの1回だけ セリフが私とリンクして、終わりたくないと、楽しかったと、彼女なのか私なのかわからない言葉を紡いだのもあの時だけ きっと、ただ私を求められて、純粋に舞台を楽しんだのはあの脚本だけだったのだろう とってもきらきらしたたからもの 3年経って
駅のホームから線路を見る。 中学の頃から通学で使って、もう12年。 何も変わらない光景。 少しアナウンスをする声が若くなったり、地域復興のための政策を広告で感じるようになっただけ。 列車到着のアナウンスが流れる。 いつもなら電車に乗るために、点字ブロックのすぐ後ろに並ぶ。 今日もそうしたはずなのに、アナウンスが耳に入った途端、一歩後ろに下がってしまった。 『死なないように』 無意識のうちにそう思ってしまったことが怖かった。 気がつけば全てを終えてしまう。そんな気がした
今年の「自殺予防週間」が終わります るるいえのはこにわの「タムケ=ハナムケ」は終わりました 「自殺予防週間」に自死について考えてほしい、そんな思いで、自殺予防週間に「タムケ=ハナムケ」を上演しました 私は、生きたくないな、も消えたいな、も感じて生きてきました いつか、私がどんな選択をして死んでしまったって、それはその時の私の最良だと思って欲しい 「そりゃそうだよね」って思って欲しい 苦しかったこと、辛かったことがあったということを理解して欲しい。だからこの選択をし
ぐちゃぐちゃにして眠るの 死にたいなんて考えてしまうのは時間があってしまうから ならその時間をなくしてしまえばいいんでしょう 働いて、稽古して、友達と会って、休みなんてなくして、 疲れてしまえば泥のように眠るだけで済む 身体が無理してる、なんて気が付いているけど 精神が無理してる、までではないから大丈夫 必要な時間寝て、動けるだけの燃料つっこんつっ込んで、明日も生きれるから大丈夫 死んだらダメな理由なんてわかんない なんとなく、生きていないといけないから
※自殺やそれに伴う表現があります 自殺を薦めたり、死ぬことに対して善悪や批判をする意図はありません。花染個人の死生観や自殺に対する意見を述べています みなさん、理想の死に方ってありますか? 学生の頃、死生観の最初の授業でライフプランを書き起こす時間がありました 私は、28歳を人生の終わりにしよう、となんとなく望んでいるので、28歳までの人生を書きました 28歳という期限を付けていることに関しては、また別の機会に話すとして……(その理由も少しずつ改善されて、肉体が朽ち
呪われたし、呪った 枷をかけた 縛ってしまっていたのに、その棘が血を滲ませてしまって苦しくなった こうなることを予見していたと思う ゆっくり、ほんの数ミリずつ私は縛っていた紐を切り、他へ繋げた 最後の最後、本当に恐れていたことが目の前で起きないようにすることで必死だった そんなことも杞憂であっさりと枷は外された ほっとした、気がした 直後、数時間、数日、後悔という言葉が正しいのかわからない感情に苛まれた うまく平気なふりをすることができない 失って初めて気
水平線と、君の胸がゆっくり重なっては離れる まだ風が吹くと肌寒く、カーディガンの裾を掴む 思考を整える君にかける言葉はない 君は輪郭をもたない空気を纏う 触れてしまうとほろほろと崩れてしまいそう 僕は外から見つめることしかできない 海に溶けてしまえば 君のこともっとわかるのだろうか
どうして、僕が選ばれたのだろう 明らかに異物で今すぐ排除されてもおかしくない 周りを見渡すと、とても愛らしくて人に好かれるものばかりだった 「どうして」 口に出しても、水に溶けた一滴のうがい薬のように馴染んでしまった 柔らかなこの空気に苦々しさを孕むのは僕の周囲だけ 誰も気が付かない 乾いた笑いが出る 光栄なことだよ、頑張って、待ってるからね、誇りに思うよ 選ばれた瞬間に聞こえた言葉たちがまるで重りをつけたかのようにのし掛かってくる 喜ばなければと、その圧に
茹る程暑いあの日、邂逅『人間農場』は幕を下ろした。 想像より、ーー本当に想像よりも、多くの声が届いた。 副主宰として、運営業務やスタッフワークに関しては手放しに褒められたものではなかった。 俳優としても、もっと求められたものを演じることができただろう、私情やらが混じった違和感のある演技をC-420のものだと勘違いしてしまわずに済んだだろう、と思っている。 が、作品のみを見つめると、満足いくものであった。 わかりやすいディストピアもので、ターゲットも絞りやすかった。脚
にこにこ笑う女が嫌いだ いつのまにか砕け散ったカケラを集めて、不恰好なガラス細工を大事に渡した 失いたくなくて、たくさん補強したのに、少し微笑んだ女のガラス細工がいいらしい そっちだって、割れてはないがくすんでいるぞ そう思ってしまう私はやはり醜いのだろうか
誰でも良かったんでしょ なら私でいいじゃん 私でも良かったじゃん 何がだめだったの きっと君は、そういうところだよって言う 合わない価値観を無理やり合わせて、 君の面白いと思うものを面白い、だなんて嘘ついて、 頑張って、君の世界を知ろうと思っていた 気が付いていたのだろうね ちょうどよかったから、私も君に固執してただけで 君のいなくなった世界でも元気に生きていられる 残念だね、 私も君も、その程度の関係性でしかなかったんだよね 惜しいと思えなくてよかっ
ばらばらになった死体を ひとつひとつ丁寧に拾い上げる パズルのピースを埋めるように、 ゆっくり確実に並べる 真っ白な腕が綺麗、、 こんな細くて、肉付きのいい腕だったのに 勿体無い ばらばらにして終わるぐらいなら、私に譲ってよ もっと素敵に、もっと美味しく 調理してあげるんだからさ、
「なに買う?」 いつも通り発したはずの言葉にハッとする 水族館のお土産コーナー。 水色が中心の店内で彼が好きそうなものを物色していたはずだ 少し特別なデートの日は、お揃いのものを買うことになっていた ……数ヶ月前までは 自然消滅のような別れ方をし、彼のいない生活にも慣れてきたはずだった そして、今隣にいる彼と出会い、惹かれあって今日を迎えた 勿論、お揃いのものを買うなんて決まっているわけもなく、何かお土産を買うことすら分からないはずなのに 自然と口から出てし
僕らは幸せだ、普通だって、嘘ついて 深い深い夜を迎える どこにも行かないよ、 どこにも行かないで、 幾度となく交わした言葉を何度も、何度も口にする やがて僕らはひとつになり、どちらの汗かわからなくなる 君がいるから幸せだ 君が求めてくれるから幸せだ この世界の幸せは全て君が持っている なんて、 間違いを真実だと思い込んで また終わらない夜を迎える