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【称賛】生き様がかっこいい。ムンバイのホテルのテロ事件で宿泊客を守り抜いたスタッフたち:映画『ホテル・ムンバイ』

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「逃げる」という選択肢もある中で、「命を賭して”お客様”を守る決断」ができるだろうか?

「誰かのために死ねるなら良い」と思っていた

私は昔から今に至るまでずっと、「生きていたい」という気力があまりありません。本当に死を目の前にした時に自分がどういう感覚を抱くのか、それはまだまだ分かりませんが、現時点では、「まあ別にいつ死んでもいいか」ぐらいに感じています。

そして、そんな風に思っているからこそ、「どうせなら誰かのために死ねたらいい」と考えることもよくあります。私より別の誰かが生き残る方が全体の利益に適うこともあるでしょう。また、どうせ自分の命にさほど真剣さを抱けないのであれば、ただ死んでいくのではなく、誰かを守ったり助けたりすることで死ぬというのは悪くないんじゃないか、などとそれなりには真剣に考えていたりします。

その感覚は、今も決してゼロになったわけではありません。しかしこの映画を観て、「自分には、命を賭して誰かを守るなんてことはできないかもなぁ」とも感じました。

物凄く怖かった。

この映画は、臨場感がもの凄いです。私は当然「自分は今、映画を観ているだけだ」と理解していましたが、それでも、映像からとんでもない恐怖を何度も感じ、映画館の座席から飛び上がってしまうこともありました。

フィクションの映画を観ているだけの自分が、これほど恐怖を感じるのです。実際の現場は、どれほどの恐怖だったでしょうか。

自分だったら、同じように行動できるだろうか?

この映画は、ホテルで起こった実際のテロ事件をモデルにしています。突然、銃を持った集団がホテルに大挙し、理由も分からず相手の主張も理解できないまま、ただ無残に殺されていくのです。

宿泊客が惨劇に見舞われている時、ホテルのスタッフには「逃げる」という選択肢が用意されていました。スタッフしか知らない従業員用通路を通れば今なら安全に逃げられる、と示唆されるのです。

もちろん、そこで「逃げること」を選択したスタッフもいるし、私は、彼らは正解だと思っています。あの場面で逃げたスタッフが、間違いだったはずがありません。自分の命を賭けてまで絶対にやらなければならないことなど、世の中には存在しないでしょう。リーダー格の人物が「逃げても恥ではない」と言いますが、まさにその通りです。

そして、「逃げる」という選択肢を与えられたにも関わらず、残ってお客様を救うと決断したスタッフもいます。あの恐怖の中、そんな決断ができたことは称賛に値するでしょう。

もちろん、残ったスタッフの行動がすべて良い結果をもたらしたのかどうか、それは分かりません。結果として状況を悪化させてしまう場面もあったでしょう。しかしそれらは、すべてが終わった後で無関係の人間がとやかく言うことに過ぎません。あの混乱と恐怖の中で、すべてにおいて正しい行動など取れるはずもないでしょう。いずれにしても悪いのはすべてテロ集団です。

「逃げる」という決断をしたすべての人は正解であり、残って人命を救う行動をしたすべての人は称賛されるべきだと思います。

「金持ちの外国人」を助けるために命を張れるか?

さて、この映画を観て、私がどうしても考えてしまったことがあります。それは、「命を賭けて“金持ちの外国人”を助けられるだろうか?」ということです。

こういう差別的に捉えられるだろうことは書くべきではないのかもしれませんが、私は、彼らホテルスタッフの凄さを伝えるために、敢えてこういう書き方をしたいと思います。

事件が起こったのは、インドで100年以上の伝統を持つ格式のあるホテルで、政治家やセレブ御用達です。一方、そんなホテルで働いているのは、バラック小屋が密集したような町で暮らす、決して裕福などとは言えないインドの貧しい人々です。

その立場には、圧倒的な違いがあると言えるでしょう。

映画の中でそこまで具体的に描かれはしませんが、そういうVIPたちから理不尽な要求や受け入れがたいクレームを受けることもあったでしょう。相手が金持ちであるかどうかは、人間を判断する上で重要ではないとはいえ、普段から接するお客様がVIPであるが故に、そういう人たちにマイナスのイメージを抱いてしまうこともあるだろうと思います。

そしてもちろん、当然ですが、相手が金持ちかどうかに関係なく、何よりも大事なのは自分の命です。家族や親友など、自分の命を賭けてでも助けたいと思える存在は誰にでもいると思いますが、それが”金持ちの外国人”だとしても、家族や親友などと同じように判断できるでしょうか?

これ以降は、ブログ「ルシルナ」でご覧いただけます

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