犀川後藤
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【狂気】押見修造デザインの「ちーちゃん」(映画『毒娘』)は「『正しさ』によって歪む何か」の象徴だ(監督:内藤瑛亮、主演:佐津川愛美、植原星空、伊礼姫奈、竹財輝之助)
完全版はこちらからご覧いただけます 映画『毒娘』は、「圧倒的な狂気」を映し出しながら、「『正しさ』は現実をこのように歪ませるのだ」と強く実感させる物語であるこれは非常に面白い物語でした! 普段から私は、これから観るつもりの映画の内容をあらかじめ調べたりしないし、どういう物語なのかも具体的に想像したりも別にしませんが、それでも本作は「思ってもみなかった内容」という感じで、凄く良かったです。観ようかどうしようか悩む当落線上の映画でしたが、この作品は観て良かったなと思います。
¥100【SDGs】パリコレデザイナー中里唯馬がファッション界の大量生産・大量消費マインド脱却に挑む映画:『燃えるドレスを紡いで』
完全版はこちらからご覧いただけます 映画『燃えるドレスを紡いで』は、パリコレデザイナー中里唯馬の「服を捨てない」という挑戦が詰まった作品だ「世界中の服がアフリカに捨てられている」なんてことはもちろん、本作を観る前から知っていた。ファッション業界が「大量生産・大量消費」の世界だということも。しかしやはり、それは「ただ知っているだけ」にすぎなかった。アフリカでこんな現実が広がっていることも、その解決に挑もうとしている日本人がいることも、私はまったく知らなかったのである。 デザ
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【あらすじ】映画『52ヘルツのクジラたち』の「無音で叫ぶ人」と「耳を澄ます人」の絶妙な響鳴(原作:町田そのこ 監督:成島出 主演:杉咲花、志尊淳)
完全版はこちらからご覧いただけます 映画『52ヘルツのクジラたち』で描かれる「聴こえない叫び」を捉えられる人でありたいと強く思わされた本作についてはとにかく、『52ヘルツのクジラたち』というタイトルが実に絶妙だと感じます。本作は、このタイトルを冠している時点で“勝っている”気がしました。正直なところ、本作の内容に厳しい目を向ける人もいることでしょう。というのも、「現代的な問題のごった煮」みたいな印象がとても強い作品だからです。「詰め込み過ぎだろう」と感じる人はいるはずだし、
¥100【常識】群青いろ制作『彼女はなぜ、猿を逃したか?』は、凄まじく奇妙で、実に魅力的な映画だった(主演:新恵みどり、廣末哲万、藤嶋花音)
完全版はこちらからご覧いただけます 映画『彼女はなぜ、猿を逃したか?』は、その強烈な奇妙さに惹きつけられ、思いがけず素敵な終わり方で幕を閉じる魅力的な物語途中まで、本当にどうなることかと思っていました。というのも、設定や展開を含め、何から何まで全然意味が分からなかったからです。 しかし中盤以降少しずつ、「なるほど、もしかしたらこういうことなんだろうか」という可能性が見えてきます。そしてしばらくして、「やっぱりこの捉え方で合っていたのか」という風に感じられるようになりました
¥100【真相】飯塚事件は冤罪で死刑執行されたのか?西日本新聞・警察・弁護士が語る葛藤と贖罪:映画『正義の行方』(木寺一孝)
完全版はこちらからご覧いただけます 冤罪なのに死刑が執行されたのか?「飯塚事件」を真正面から扱った映画『正義の行方』は、過去の報道を再検証する西日本新聞のスタンスが実に印象的である本作『正義の行方』は、実に興味深い作品だった。「飯塚事件」については再審請求が行われており、私が今この文章を書いている時点では、その再審請求を退けるという判決が下っている。弁護団は即時抗告すると声明を発表したが、その際の会見で、「この判決は人間が書いた文章ではない」と語っていたのが印象的だった。
¥100【現在】猟師になった東出昌大を追う映画『WILL』は予想外に良かった。山小屋での生活は衝撃だ(監督:エリザベス宮地)
完全版はこちらからご覧いただけます 東出昌大にまったく興味はないのだが、映画『WILL』はメチャクチャ面白かったし、猟師として生きる彼の生活は実に興味深かったこれは物凄く面白い作品だった。正直、他に鑑賞する予定の映画との兼ね合いもあり、観ないまま劇場公開期間が終わる可能性の方が高かったのだが、本当に観て良かったなと思っている。 観ない可能性が高かった理由の1つは、シンプルに「東出昌大にまったく興味がなかった」からだ。これは別に、「スキャンダルをきっかけに嫌いになった」みた
¥100【実話】さかなクンの若い頃を描く映画『さかなのこ』(沖田修一)は子育ての悩みを吹き飛ばす快作(主演:のん(能年玲奈))
完全版はこちらからご覧いただけます のん(能年玲奈)主演映画『さかなのこ』は、ちょっとビックリするぐらい良い映画だった!親や親になるかもしれない人は必見!物凄く素敵な映画でした。ホントに最後、ちょっとウルッと来てしまったぐらいです。「さかなクン」やその家族のキャラクターも良かったんだけど、さかなクンをのん(能年玲奈)が演じているという点が何よりお見事だと思いました。 「さかなクン役」に「のん」を抜擢したことがとにかく素晴らしい 本作『さかなのこ』は、映画館で予告を観る機
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