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フィレンツェの誘惑




フィレンツェの街が、誘惑する。
街ゆく人を、旅人たちを。


道が、光が、色が、水が、
街ゆく人にささやきかける。





初夏のフィレンツェ、街歩き。




うつくしい街には、共通点がある。
路地と広場、坂と丘だ。

路地に差し込む光は人びとを広場へ誘導し、上り坂は街を見下ろす丘へとつながる。「街」という生命体をさまざまな視点から眺めることは散歩の醍醐味であり、その体験を可能とする街は、うつくしいと思う。




街の誘惑、細い路地。
光、そして闇。


闇に差し込む光は人びとを誘惑し、次なる空間への期待感を与えてくれる。



新しい場所へ、新しい物語のなかへ。




路地の先では、明るい広場が人びとを包み込む。その開放感は、路地を歩いたからこそ味わえる。


そこには、無限大の自由がある。





人びとは光のもとに集い、そしてまた次の道へと別れてゆく。



丘へとつづく、のぼり坂。
行く先も見えぬまま、一歩一歩と、振り返ることもなく歩いてゆく。



広がる空、うつくしい街。

路地と広場の関係性のように、のぼり坂は、丘からの眺めをいっそう心地よいものにしてくれる。歩いてきた道のりが、街の大きさを明らかにする。






街のシンボルが、現在地を教えてくれる。

鳥は、はばたく。
鐘がなる。



街にただよう食の誘惑。
豊かな香りに誘われて。






エンドロールみたいに流れる大河。




終止符のような夕暮れの光。




人びとは、街をただよう。
フィレンツェの誘惑に身を任せて。




lumikka

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