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同調率99%の少女14~24

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那珂が主人公のオリジナル小説。 鎮守府Aの物語 14~24巻分まで
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#艦隊これくしょん

同調率99%の少女(15) :幕間:艦娘たちの休憩

同調率99%の少女(15) :幕間:艦娘たちの休憩

--- 4 幕間:艦娘たちの休憩

 夕方4時を半分回った頃、那珂たちは工廠を後にし、本館へと向かっていた。本館に入るとひんやりとした風が那珂たちの顔を撫でる。訓練前にはロビーのエアコンはつけていなかったのにと那珂は不思議がるが、すぐにエアコンをつけてくれた人物が頭に浮かんだので納得の笑みを浮かべてその涼しさを堪能してロビーを後にした。

 待機室に直接向かう前に更衣室に足を運ぶことにした那珂たち

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同調率99%の少女(15) :砲撃訓練

同調率99%の少女(15) :砲撃訓練

--- 3 砲撃訓練

 この日は曇り気味で日差しが弱く、耐えられない暑さと日差しではなかった。この天候を理由に川内は午後はいつもより早く訓練を再開したいと願い出ていた。那珂は五十鈴と顔を見合わせ、どうするか話し合う。

「どうしよっか、五十鈴ちゃん?」

「どうしようって言われても……。いつもより日差しが弱いとはいえどんな気候でも熱中症になるときはなるわよ。私は提督の指示を守りたいわ。彼に余計な

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同調率99%の少女(15) :基本訓練(艤装説明・概要~腕部操作)

同調率99%の少女(15) :基本訓練(艤装説明・概要~腕部操作)

--- 2 基本訓練(艤装説明・概要~腕部操作)

 工廠に来た5人。那珂は早速明石を呼びに工廠の奥へと入っていった。明石は事務所内にいた。

「明石さん。」

「あ、那珂ちゃん。はい、なんでしょう?」

「これから訓練始めますので、よろしくお願いします。」

「わかりました。じゃあいつものように○○さんに艤装を出してもらってくださいね。」

「はい。……それと、お願いがあるんですけれど。」

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同調率99%の少女(14) :基本訓練(水上移動総括)

同調率99%の少女(14) :基本訓練(水上移動総括)

--- 5 基本訓練(水上移動総括)

 翌日、土曜日も4人は前日までと同じ流れで訓練を進める。川内のほうは荒削りで細かい制御がまだできていないながらも、水上移動自体は五月雨や夕立たちと変わらぬレベルにまで達していた。神通はやる気はあって練習の密度もあるのだが、体力が足りずに思うように進めずにいる。

 この日も幸は那美恵たちよりも先に来て、グラウンドで走りこみをしていた。地上を歩く・走るのと水上

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同調率99%の少女(14) :基本訓練(水上移動続き)

同調率99%の少女(14) :基本訓練(水上移動続き)

--- 4 基本訓練(水上移動続き)

 翌日金曜日、那美恵は前日までと同じく凛花と待ち合わせて鎮守府に来た。道中、昨日提督と何を話したのか那美恵は凛花に尋ねたが、凛花は特に顔色を変えずに今は言えないと一言だけ言ってその話題を続けようとはしなかった。その様子を敏感に察したのか、那美恵は茶化すことはせず彼女の望むとおりにその話題を打ち切って別の話題で雑談を賑わせた。

 ただ一つ、凛花は提督から預か

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同調率99%の少女(14) :基本訓練(水上移動)

同調率99%の少女(14) :基本訓練(水上移動)

--- 3 基本訓練(水上移動)

 翌日木曜日、那珂と五十鈴は前日と同じ時間に来た。前日と全く同じルートで本館の窓を開けて換気していき、工廠に行って明石や技師の人に挨拶をしたのち執務室に戻ってきた。なお、提督はまだ出勤前だった。

 前日皆の前での取り乱し思わぬ弱点を晒してしまった那珂は駅で五十鈴と出会って本館に来る最中は妙によそよそしく振舞っていたが、五十鈴が一向にその弱点をついてこないのを見

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同調率99%の少女(14) :基本訓練(地上を歩く艦娘)

同調率99%の少女(14) :基本訓練(地上を歩く艦娘)

--- 2 基本訓練(地上を歩く艦娘)

 その後五十鈴からのチョップでようやく我に返った那珂はコホンと一つ咳払いをした後気を取り直して川内と神通に向かって訓練の内容を説明し始めた。

「え~、基本的にはあたしが指示した内容を進めてもらいます。んで、五十鈴ちゃんは二人のフォローに回ってもらうから、わからないことがあったら五十鈴ちゃんに聞いてくれてもいいからね。」

「「はい。」」

「それじゃあ、

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同調率99%の少女(14) :軽巡艦娘たちの準備

同調率99%の少女(14) :軽巡艦娘たちの準備

--- 1 軽巡艦娘たちの準備

 初日の夜、自宅の自室でのんびりしていた那美恵は流留と幸に、翌日は先に鎮守府に行っているから二人で適当に都合をつけて来るように伝えた。

「りょーかいです。」と流留からの返事。

「承知致しました。提督と何か打合せされるのですか?」と了承+想定をする幸からの返事。

「おぉ?さっちゃんは突っ込んでくるねぇ~。まー隠すことでもないし、返信返信っと。」

 幸の返しに

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