「ほたるの恋言葉」詩―#青ブラ文学部「手のひらの恋」
遠い 初夏の日
君と 一緒に
ほたる鑑賞船に 乗った
小舟は 船頭に 櫓をこがれて
ボクの君への 恋のような歩みで
ユルユルと 進んでいく
乗客の ヒソヒソ声
水音 虫の音だけが
暗闇の ビロードの世界で
耳をうつ
やがて 眼前に
幻想に満ちた
蛍のイルミネーションが
展開される
夜の女神が
無数の 輝く金色の真珠の粒を
まき散らすように
ホタルたちは 乱舞し
そっと 話しかけるように
ポツリ ポッリと 点滅し続ける
どことなく悲しく 夢景色のようであり
心を 暖める光の舞踊だ
君の 白いうなじに
一匹の ほたるが 止まる
そっと 捕まえると
君の手のひらで 息づき 光る
月明かりに
君の 紅の色が
鮮やかに 浮かび上がる
君は 平安人(へいあんびと)のように
穏やかな眼差しで
ボクを見つめ 微笑む
だが 時は 容赦なく
ボクを 取り残して
過ぎ去って しまった
ひとり 橋の上から
ホタルの 乱舞を 見守る
手に 一匹が止まり
語りかけてくる
ほたる船の あの夜が
フラッシュバックした
あの時 君の手の中で
ボクの こころは
君に 恋言葉を 語りかけていた
ボクの恋は ひと夏の
「手のひらの恋」として
心の 言葉の倉庫にしまわれて
時折 思い出したように
いまも 点滅を 繰り返している
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青ブラ文学部の企画
題「手のひらの恋」に
参加させていただきました。
山根さん どうぞよろしくお願いいたします
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