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「おれたちの船出」ー詩―
船体を 赤く染め
おまえを 乗せた
出船が 遠ざかる
俺は 港を見下ろす
岬の上から 思い切り手を振る
「元気でやれよぉ~」
「俺も もうすぐ 船出するぅーーぞぉーー」
「お互い 気張ろうなあーー!!」
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夕陽は どんどん水平線に隠れ
船は シルエットになりかけてる
叫んでも 声は波間に
こぼれ 落ちてしまう
おまえの 都へと向かう
あたらしい船出を どうしても
見送りたかった
嬉し涙が 頬を濡らす
この涙は 再会の時のために
しっかり キープするぞぉ
おまえの 置手紙
何度も 何度も 読んだ
あたらしい お前への
脱皮の心が 立ち昇る 文面だった
「弱虫、グズぺぇ」と呼ばれたお前は
いつの間にか 大空を飛ぶ 蝶になってた
海が怖くて 水に入れず
浜辺で 真っ赤な顔をして
泣いていた 子どもの頃のお前
俺の 背中に捕まって
歓声をあげて泳いだ 遠い日々
どれもが この港町の
キラキラした さくら貝のような
絵日記の 一頁だ
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今度 再会する時は
二人とも カッコいい都会人 ?
いやいや かっこよさなんて どうでもいい・・
俺達二人が 自分の力で
あたらしい 航路へと
舵を切ったことが 大事
鏡に 自分の真新しいスーツ姿を
映しては ちょっと にやける
「おまえの スーツ姿には 負けんぞぉ」
「いよいよ ビジネスマンだ
しっかり 勤めんと いけん!!」
自分を 鼓舞しながら
幾度も つぶやく
「ネクタイがうまく 結べんなぁ..
まあ ユルユルとやりぁ ええわね。。。。」
隠れていた 粗削りの俺が ささやく
明日は 港の神社で お前の幸せを
お祈りしてから 出船に乗る!!
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