詩「寂寥(せきばく)の春」
突然の電話
向こうから 聞こえてきたのは
君が 旅立ったという
冷たい 言葉だった
4月の 誕生日を
待たずして
天に 昇っていった
僕は 何も答えられずに
君の 死に際の話を
欠けた花瓶から 滴り落ちる
水音のように
ただ 聞いていた
ラグビーの クオーターバックスとして
華やかに グランドを 疾走し
花吹雪のように
人の心に 記憶された
社会に出ると
パリ ダブリン
ミラノと
世界中で 成果をあげた
一番 若くして
取締役に 駆け上り
皆に ため息をつかせた
色白で きりりとした顔立ち
ロシア人との ハーフだと
噂されていた
その細身の からだには
英知に光る義侠心を
抱いていた
君の亡くなった日の
翌日は 春の嵐だった
僕の心の中でも
癒されない 暴風雨が
暴れ続けた
この 寂寥をどうすれば
埋められるのだろう
どんな 和歌を詠んでみても
歌いつくせない。
溶けることのない
悲しみの氷を
握りしめて
空を 見上げ続ける
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