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「月のうさぎの国」童話詩―ふくふくさんの企画「夏、ときどき、夢」

月の出が 遅い 今日は 満月
夏の 月の光は 
実った稲田を やさしく照らし
城山の 松の木を 蒼く包む

しばらく 見上げていると
足元に 何かが
絡みついてきた
見下ろすと 白いうさぎが
ブドウ粒の目をして
私を 見上げている

{あれ?? どこかの
農家の庭先から 逃げて来たのかな??}と
思いながら 怪訝な顔で見ている私

すると うさぎは 背負っている袋を
ヨッコラと 降ろして
中から 白くまるい物を取り出し
一つを 自分の口に入れ
もう一つを 私に差し出した
手に取ってみると
フワフワした お団子だった

「これ くれるの。ありがとう
食べていいの??」と聞く私
うさぎは コクンと頷く

二口 三口 食べると
キーーンという音と 共に
青い 階段のようなものが
目の前に 突然 現れました

驚いている私を 引っ張って
うさぎは 階段を登り始める
少し 登ったかと思う内に
岩だらけの 広い場所に 着いた
そこは 空が 青白く 蛍光色に光り
カラフルで 色々な毛並みのウサギたちが
たくさん 待っていた

長い白い髭を垂らし 長老と思われる
うさぎが 出てきて 丁寧にお辞儀をし
焚火の側を 指し示めす

すぐに 焚火の周りで 宴が始まった
今まで 村では口にしたことがない
美味しい食べ物 飲み物が 振舞われる
薄衣をまとった ウサギたちは
長い耳をサヤサヤと 動かして
高く飛び跳ねて 舞を 披露してくれた
私は すっかり夢見心地になる

そのうち 私は眠ってしまったらしい
目が覚めると 元の田んぼの畔道に
横たわっていた

{あ~あ 夢だったのか。。。
でも 夏の夜の楽しい 不思議な夢だったなぁ。。}
身を起こすと 腰に袋がぶら下がって
いるのに気づく
中を 確かめると 白くまぁるい
お餅が 5つも入っていた

私の 夏の夜の夢は 夢では
なかったのだろうか。。。。

しかし 村の人に話しても だれも信じてくれない

ふくふくさんの企画「夏、ときどき、夢」に
参加させていただきました。 ふくふくさん
どうぞ よろしくご査収ください。

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