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「母さんの指ぬき」―詩―

母さんの 古ぼけた 裁縫箱
長い間 誰も 使わないので
うっすら 埃がたまってる

蓋を開けると
懐かしさの お菓子屋さんみたい
糸きりばさみは 相変わらず
無愛想な顔で いばってる
色とりどりの 木綿糸は
膝をそろえて 並んでる
お姉ちゃんの お気に入りのリボンは
ちゃんと クルクル巻かれて
一番目立つ場所に
置かれてる

指ぬきと 糸と針を
取り出しして 
母さんの 裁縫の真似をする

針に 髪油をちょいとつけて
小粋に 指ぬきをはめて・・・・

でも ボクの指には 
母さんの 指輪は細すぎて
入らない
どの指にも 合わない

一人で 苦労していると
側で見ていた 三毛猫が
ボクの膝に 手を置いて 顔を見上げ
「ミヤァ」と鳴いて 
行ってしました

猫に 諭されるとは
今年の 運勢はどうなるんだろぅ・・・

母さんの 指輪が楽しそうに光った気がした

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立山 剣
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