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「北欧の蒼い空」―詩―

漂いつづける
まるで 雲のように
ひっそりと 息をこらして。。。
誰を 尋ねるわけでもなく
何処を 目指すあてもなく。。

異国の地の 人気のない
公園で 昼食のバケットを
ただ やたらに 齧りながら
空を ずっと 見上げる

雲と一緒に流れたい

コペンハーゲンの 秋空は
透き通るペール・ブルー
手を ふれれば
たちまち 心まで染まりそう

ここを 墓所とするか
それとも 南フランスの
光りの眩しさに 身をさらそうか

昨日 日本の あの人に
手紙を 出した
切手を 貼る指が 震えた
何を書くかを 終日 考えても
気の きいた文句は
一言も 書けなかった

「今 北欧に います。
空が 水彩画のようです。
あなたに 何も いわずに 日本を
飛び出してしまったこと、心から 謝ります。
もう 二度と 逢うことは無いでしょうが
あなたの 幸せをずっと 願っています。
さようなら」

一枚の便せんに
水たまりに張る 氷のように
身勝手な 薄っぺらい言葉の羅列
風がふけば すぐに 粉々になり
吹き飛ばされそう

故国をはなれ はや 半年余り
根無し草となり ただ
北から 南へと 落ちてゆくだけ

故郷の町の 夕焼け空と 
暖かな 人のざわめきが
恋しくて たまらない

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立山 剣
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