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「異国の晩秋」―詩―

くれないの 毛氈(もうせん)が 
燃えるあがり 
山は あかね色に染まっていく

山道を歩く人の 影も色づき 
木々たちは 誇らし気に
枝を優しく振って 
旅人を 秋色に染める

水に浮かぶ 緑黄色の 照り葉は
水浴を 楽しむように
水の輪と 手を取り合って 円舞する
それを すくう 細い指 
指先から もみじ色の雫が
湖面を 震わす

アルペンの 山々は
白き衣を まとい始め
古き城では 暖炉の火が
人の 心を優しく 暖める

コウノトリは 城壁の
緑の冬蔦(ふゆづた)に
「茜色の 衣装を持ってこようか?」と
尋ねている
緑の冬蔦は 城壁で 街の番人を務めながら
晩秋の森の ファッションショーを
山頂から 黙って 見下ろしている

白い平穏が 国を覆い始めた
ここでは  戦争は無縁だ

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立山 剣
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