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「涙で消せない恋の炎」ー詩ー

雨粒が そっと落ちるように
ポツリ ポツリと
郵便受けに 届く
あなた宛ての 手紙

「さよなら」という言葉だけ
投げかけて
部屋を 出て行ったあなた
室内には あなたの影が
まだ 住んでいるよう

あなたが 置いて行った 置時計
その針が 進むほど
あなたが 遠のいていく
いっそ 庭のあんずの木の根元に
埋めてしまおうか

人は「早く 全部 片付ろ」と言う
散らばった 想い出の破片を
どんな カバンに 詰めて
送り返せば いいの・・・

夕闇が 迫るころ
隣近所の 「ただいま」
「お帰りなさい」のやりとりが
潮騒のように 耳に響く

ドアが 開き
「ただいま また残業だった」と
耳を 喜ばす あなたの 言葉が 
アフターシェーブの香りと一緒に
なだれ込んで きそうな 金曜の夜

もう一度 素直な自分になって
愛してると 伝えてみよう
私の 恋心は 残り火となって
ずっと 燃え続け
どんなに 涙を注いでも 消えない

(2022年の作品のリライトです)
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