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あるがままとは
女優の中谷美紀さんのエッセイ「文はやりたし」
の中の「美しき田舎暮らし」という文章の中に、
芸術家の辻村史朗さんという方の奥さんの三枝子さんという方の言った言葉がある。
「あるがままなんていうのは、嘘っぱちね。
本当にあるがままで全部さらけだしたら、嫌われるわよ。どこかでこらえるのもおもいやり」
という言葉だ。
なるほど~!と思った。
この辻村史良さんという人は、
エリッククラプトンや、ロバートデニーロからも愛され、世界中から注目される芸術家らしいのだが、
ご夫妻は、まだ売れず貧しかった頃に、未開の地を切り開き、ご自身で建てたという簡素な家にずっとお住まいなのだという。
中谷さんに振る舞われた料理も、素朴な味わいもので、かしこまらず、自然体のまま寛ぐことができたと書いてあった。
この三枝子さんの、
「あるがままなんていうのは嘘っぱち」
「全部さらけだしたら嫌われる。」
「どこかでこらえるのおもいやり。」
というのは、すごく深い言葉だと思った。
確かに、気取らず、自然体に見える人が、
粗野で配慮に欠けるかと言われたら、
そんなことはない。
自然体に見せるというのは、
つっかかるような、おかしなところがないということで、あるがまま、傍若無人でいることとは違う。
身近な人でも、女優さん等でも、気取らない、
自然体に見える人がいるけれど、
どこかでは、ちゃんと自分を律して、
思いやりを持った行動をしてくれていたからなのだと思った。
自然体に見える人程、人に気を遣わせない、
気づかせないような、思いやりを持った人達なのかもしれない、と、この三枝子さんの言葉を読んで思った。