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この日に出す!と決めていた1冊


今回ご紹介するのは


ながさき一生 著

魚ビジネス
食べるのが好きな人から専門家まで
楽しく読める魚の教養

この本は「日本の魚」というものに視点を置きつつ、日本食の世界での立ち位置。漁業の仕組み。養殖ビジネスの今。鮮度の話。市場流通。魚視点の居酒屋の話など食べる魚における様々な話を詰め込んだ1冊です。

著者ながさき一生(ながさき・いっき)さんは株式会社さかなプロダクションの代表、一般社団法人さかなの会 理事長・代表などをされており、漁師の家庭だったことから家業を手伝っていたと書かれているので、まさに魚のプロフェッショナルと言ってもいいお方です(本書と下記HPを参照しただけですが)



5.6月連続投稿頑張ったのと、他の投稿に時間かかったので今週は休もうかと思いましたが作ることにしました。

というのも読書感想を金曜にあげてきましたが

投稿予定の7月7日が好きな、いわゆる「推し」の誕生日。

魚を捌くのが趣味、いや1級マグロ解体師という資格まで取得するくらい魚愛な人です。

という推し宣伝を加えてしまった失礼。



実はこの「魚ビジネス」前々から買ってはいましたが、お恥ずかしい事に積ん読してました。
この日に投稿するのピッタリすぎだろ!と思ったので手に取り爆速で読んで作らせていただきました。

読むの先延ばしにしたこと後悔するくらい面白かったです。

読んでから速攻作ったものなので多少ザックリになりますがご容赦のうえ見て頂けると幸いです。

それでは解説いきましょう。


日本の魚は世界が羨むグルメ

寿司が世界で人気というのは薄らと実感できる人は多いのではないでしょうか?
私も過去に放送されていた番組で、日本の匠が海外のシェフに指導する姿を見た記憶があるので。

我々が思っている以上に海外での魚の消費量は伸びているとのこと。

著者の経験上だと、日本の鮮度は世界一!

そもそも世界で「魚を生で食べる」という文化が根付いていなかったのと、日本でも生の魚が希少という価値観があったからという様々な理由が絡んだうえでの結論だとあくまで私はそう感じます。

海外で魚が人気な更に詳しい理由は長くなるので割愛しますが、本書では「日本の魚離れ」「魚の買い負け」が目立つようになったと危機感とビジネスチャンスの2面で書かれていました。

例をあげると、ホタテも中国での需要が高まり高騰し、年々見なくなっているらしいです。
確かに寿司で見る機会減った気はするがこんな背景があったとは、、

魚食べる機会減ったとは肌で感じつつここまで深刻な自体になっていたのも驚きです。

本書では他にもサバ缶が持つ可能性。魚を調理するためのハードルを下げてくれるような内容が盛りだくさんなのでできる所から魚に触れていく大切さを思い知らされましたね。

というか、むしろ魚食べたくなってくる(ジュル)




鮮度という言葉の限界

大前提として、魚は劣化しやすいというのが読んだ中でついた印象です。

魚を長持ちさせたり、どのタイミングで締めればいいかなど書かれていつつ食べるまでの間に限界があるというのが多分著者が伝えたいメッセージなのかな?と思った。

驚きだったのが魚にとって人間の体温は火傷レベルという点。
確かにイカも人間の体温でダメージを受けるというのを何かで知ったけど魚も例外じゃないって事ですね。

なので居酒屋の「とれたて」「新鮮」はさほど重要点じゃないとも本書には書かれておりました。
これについては次の章に話を移します。




「新鮮」「メニューの種類」より大事なこと

ここは皆さんも馴染み深い飲食店にまつわる話。

「とれたて」「新鮮」という謳い文句!
「‪✕‬‪✕‬産ホッケの炙り」「アジの〜」
と書かれたメニュー

と居酒屋などで書かれているのを目にしたことがあるのではないでしょうか?

魚に詳しい著者にとって上記より重要な項目があるようです。

それは
「おまかせ」 「魚の回転」

まず「おまかせ」から触れていきましょう。

もしメニューを限定してしまうとその魚が入らない時に出せないし、入ったとしても魚の状態が悪くても出さなければならなくなるから!とのこと。

魚が決まった日に新鮮な状態で届くかはその時にならなければ分からないもの。
メニューの文面で苦しむくらいなら今日はどんな魚が来るのか?という楽しみに書いた方がいいというのが著者の意見です。

次に「魚の回転」について

魚を仕入れる→魚を出すというサイクルをいかに早く回すかというのが飲食店に求められる重要事項です。

その日中に魚を使い切るというのは新鮮なものを次に仕入れて提供できるというサイクルに繋がるわけです。


この項目を見たうえで居酒屋に行けば面白い発見が色々できそうで期待膨らみますね笑




魚の価値は条件の積み重ね

大間マグロというのはテレビなどで聞いた事があるかもしれない。

すしざんまいの社長さんが初競りで落札する風景を見たことがある人もいるかもしれない。
なぜ億もの数字が付くのか私も疑問でした。

理由はマグロの生い立ちにあって

マグロの産卵から始まり、孵化した稚魚がエサを食べながら海流に乗ってたどり着いた先が青森と北海道の間の津軽海峡。
そこでも筋肉が鍛えられ他のマグロとの相違点が生まれます。
それだけでなく一本釣りなどで痛みにくい状態でその日の内に豊洲市場に運ばれるというのが一連の流れ。

(マグロも一本釣りできんの流石に初見だわ汗)


産まれてから津軽海峡にたどり着き捕まえるまでの過程があるからこその付加価値
というわけです!

魚の「凄い点」は何度か聞きますがその理由まで知れるのは結構貴重だと感じました。


この本には近大マグロの話にも触れられておりますが、こちらも人工的にマグロを育てるまでの過程あっての凄みというのが評価される点だと本書では書かれていました。

養殖ビジネスについては長くなるので省きますがここだけでも読んで損させないくらい興味深い話だったのでオススメします。



魚の販売は○○○○が大事

魚の入手方法は沢山ありますが、最近だとインターネットなどの通販という手段も増えてきているようです。

これは魚に限らず人が買い物に費やす時間を省き出しているのも背景にあるかと思います。

しかしオンラインになっても魚に関する疑問は消えないことでしょう。

なぜなら魚の知識について我々は疎いから!

先程から魚の鮮度について読んだ感想で書かせてもらってますが正直それだけじゃ魚について詳しくなれん!というのがぶっちゃけたお話。

これは「家電」や「スマホのプラン」をイメージすれば分かるとおり私たちの知識だけで決めるのは難しい話でしょう。魚も同じで「どの魚が自分の理想に合うか分からない」ということ。


そう、魚を普段以上に美味しく食べるために不可欠なのが人!


○○○○の答えは対面販売です!

リアルな販売なら

「今何が旬か?」
「どのように食べたいか」
「この方法で美味しく食べるには何がオススメ」

などのその場、そのタイミングだからこそ聞けるお得な情報があるから。

確かにオンラインなら離れた地域の魚も手に入るでしょう。
それでも人との関わりで聞ける知識ほど温かいものは無いとも言えます。


ここまで爆速で書きましたが全体のほんっっっの一部なくらい長かった。。。

私自身じつは水族館などの「魚を観る」が専門だったので満足いくか不安でしたが居酒屋やスーパーで魚を見るのがこれから楽しみになりました。面白かったです。


この本は他にも

市場で狙うは「新鮮な魚」じゃない
養殖ビジネスの更に凄いと思わされた点
「神経締め」が鮮度に関わる話
「魚か肉か」で悩んだ時の判断基準
魚の培養肉事情

と魚にまつわる話盛りだくさんでした。

内容ジャンル毎にセクション分けされていたので興味わく内容だけ読むくらいで買うのもオススメですし、読み出すと止まらなくなるでしょうしご安心ください。




個人的には築地の話が出てきたのは嬉しかったですね。
思い出の地なので築地の良さを書いてくれていたのが嬉しすぎる。

色々美味しい店盛りだくさんですがなかでもMASAさんという店の魚使ったバーガーがお気に入りです。

行ったのが19年末で最後なので今も営業されてるか分かりませんがオススメです。
場所の説明難しいのだけもどかしい汗


という話を挟んだ所で終わりにします。



他にも読書感想の投稿をしておりますので気に入ってくださった方は是非マガジンから他の記事も見てくだされば私とっても喜びます。
週の後半(主に金曜辺り)に投稿しております。


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