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story (小説)

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小説やショートショートはこちらにまとめます。
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#ショートショート

小説/神視点の物語

仄暗い谷底に、ガードレールを破って転落した一台の自家用車。 運転席の男が目覚める。 男の体…

豆島  圭
1か月前
54

カバー小説/逝化粧

椎名ピザさんの企画に参加しています。 トガシテツヤ様の掌編をカバーいたしました。ぜひオリ…

豆島  圭
1年前
38

三つの願い 《#毎週ショートショートnote》

爺さまと婆さまが杖の前。 「振って叫べば願いが叶う?」 「ただし願いは三つだけ」 「したら…

豆島  圭
1年前
57

珈琲とチョコと至福のひと時《#シロクマ文芸部》(約2000字)

珈琲とチョコレートって最強の組み合わせと思いません? ゴディバはよく戴きました。でもピエ…

豆島  圭
1年前
52

想いよ届け! 《#毎週ショートショートnote》

「だめよ。靴箱にラブレターなんて他の男子に晒されるよ」 「どうすればいい? お姉ちゃん」 …

豆島  圭
1年前
46

白雪姫はリンゴ箱に乗せて 《#シロクマ文芸部》(約4000字)

りんご箱を右手に、その蓋を左手に持ち、ワゴンRを降りた静香が小走りで母屋に入ってくる。 …

豆島  圭
1年前
48

黄昏の空を走る《#シロクマ文芸部》

走らないで。まだ、いいです。 心の中でお願いしてるのに、走りだした。 幼稚園生だ。 スーパーの自動ドアを抜けてすぐ、お菓子売り場に走っていった。後ろから赤ちゃんを抱えたママに「走らないの」って怒られて。だけど無視して。 当時人気だったカード付きのお菓子。前に「今度ね」って言われたから。きょう買ってくれると勘違いして。 ニコニコ顔でカードを握りしめて、ママのところに戻ろうと、お肉売り場、お魚売り場、レジまで走る。でも、ママは見つからない。泣きながらママを待つ。お店の人に話しか

「ちゃんと読んでますか?」「YES・NO」

読む時間なんて、はっきり言って無駄だと思う。 先生たちにとって、学校の定期テストをパソコ…

豆島  圭
1年前
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Fall in love.

今週もシロクマ文芸部に参加いたしました。 小牧部長、お世話になります。ありがとうございま…

豆島  圭
1年前
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縦スク文庫 作ってみました

ミムコさんの「縦スク文庫」という素晴らしいアイディアに出逢いました。 皆さんのいくつかの…

豆島  圭
1年前
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シナプスの枯渇を待つ 《#シロクマ文芸部》

愛は犬の名だ。 落ち葉の割れた音でふと記憶が繋がった。 そうだ。散歩の途中だった。 安堵の…

豆島  圭
1年前
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いま、ここで 《#シロクマ文芸部》

文化祭と言えば、僕はこの光景しか知らない。 幼少の頃から僕にとって文化祭とは、自分が企画…

豆島  圭
1年前
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満月のフール

あの夜、僕は、本当は 復讐するつもりで呼び出したんだ。 なんてウソだよ。ちょっと信じた? …

豆島  圭
1年前
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通行人A 《#シロクマ文芸部》

「ただ歩くだけなのに、いつまで待たせるんだ」 俺はメガネを拭きながら「計画性がなさすぎるな、芸能界ってところは」と文句を続けた。ハンカチを折り目どおりに畳み直し、スラックスのポケットに仕舞うために丸椅子から立ち上がって遠方を眺める。 ロケバスの中の小百合ちゃんは、まだ出てこない。 「どこも晴れの予報でしたから仕方ありませんよ。大好きな女優さんとの映画共演が待ち遠しいですね。ふふ」 妻の呑気な声はいつも俺をイライラさせる。 共演だなんて。俺たちは単なるエキストラじゃないか