日記1/4 初夢と指輪(パブリックドメイン)
初夢。
苦手な上司から、苦手な仕事を任された。
逐一監視される。
どうにか早く終わらないものか。
そう悪戦苦闘していると、
そのうち目が覚めて朝を迎えた。
しかし頭が冴えるにつれ、
苦手な上司は現実にいたか怪しくなってきた。
そうだ、
あんな上司は確かいなかったはず。
でも記憶には苦手になったエピソードが残っている…
もしかすると、
現実に上司は本当にいたが、
私がはやく終わってくれと願ったばかりに、
この世界から存在した証拠共に消え、
初めから存在しなかったことにされてしまったのではないか。
朝からフィクションを捗らせたが、
しばらくして温い布団から抜け出した。
正月の朝であっても、冬は肌寒い。
今年は
「指輪物語」「ホビットの冒険」の
J.R.R.トールキンが話題だ。
1/3が誕生日なのもそうだし、
原作の著作権が切れるために二次創作がしやすくなる。
ファンタジー好きとしてはそう聞くだけで、
中つ国の世界を自由に旅し
あるいは自分の想像したキャラが旅する様子を想像してしまう。
彼の世界観を半ば借りて作られたファンタジー作品は
数えてもキリがないけれど、
ホームズ、クトゥルフ、あるいは他の近代小説が
二次創作でなければできなかった
冒険や物語を生み出しているように
彼の作品もまた
新たな段階の創作を生み出す糧となっている。
そんな妄想をしながら、
私は今、床に就き始める。
けれど、あまり想像を白熱させては眠れるものも眠れない。
大人しく目を閉じて、
ゆっくり頭の中を空にしよう。
大丈夫。
偉大な物語は、
私が夢から目を覚ましたくらいでは消えやしないのだから。