チェインフェリス-幸せの再定義#2
淳平からの久しぶりの手紙は嬉しかった。しかし、『あの頃の約束果たせそうです。一緒に世界を幸せにしよう。』とは一体どんな意味だったんだろうか。電話番号が書いてあったので、淳平に電話した。
「もしもし、高橋です。」
「おー雄大くん!久しぶり!手紙読んでくれた?」
「うん!ありがとう!いや〜10年ぶりくらい?」
「そうだね。中学から別々になったもんな
んでさ『『あの頃の約束果たせそうです。一緒に世界を幸せにしよう。』ってどういう意味?」
「えええええええええ!覚えてないの?ショックだよ」
「すまん。忘れてしまった」
「小学校の卒業文集だよ!」
何を言っているかさっぱりわからない。
キョトンとしている俺に画像が送られてきた。
「これなんだけど、雄大くんの卒業文集」
「あー懐かしい。。。俺書いたわ」
「夢で世界を幸せにできる会社を作りたいって書いてあるでしょ
うん。だから一緒に起業しよう」
「はあ?何言っているの?俺無理だって」
「いや!雄大くんは絶対に起業するべきだよ!
一緒にやろうよ!大丈夫!大丈夫!」
「俺就職先あるし、お金ないからさ
淳平は何今やっているの?」
「俺はフリーランスとして、働いていて月に100万位稼いでいる」
「えええええええ!すごいなお前
そんなんだったら一緒に起業しなくていいでしょ」
「違うんだよ!雄大くんと起業するために頑張ったんだわ!」
「そんなこと言っても俺ビジネス感持っていないし」
「違う!とにかく強いビジョンを持っていることが大事なんだよ!」
「なるほど、、、ちょっと考えさせてくれ」
その後電話を切った。起業かあ、、、俺そういえば会社に入社する理由ってなんだっけ。あー金かあ、、、俺ってなんで生きているんだろう。
幸せな世界、、、、作りたいなあ。俺みたいな人間がこれ以上生まれない世界を創りたい。
俺たち兄弟は両親が突然蒸発して、小学校2年生の頃里親に預けられることになった。そこでは毎日虐待を受けていた。飯もまともに食べさせてもらえないし、かなりきつい幼少を過ごした。里親両親が、ストレス発散のために殴るために早くこの孤児院を出たい一新で生きていたある日。
里親が
「なんでお前たち生まれたか知っているか?
風俗嬢のお前らの母親が勝手に生まれたんだぞ。
妹もお前も可愛そうだな。」
俺はカッとなってしまい、里親を包丁で刺してしまった。
里親は全治半年の怪我をおってしまい俺と妹は違う里親に預けられた。
その頃から世の中を恨み、俺らみたいな辛い思いをする人が少しでも減ってほしいと思うようになっていた。
しかし、月日が流れるとそんなことも忘れてしまい今にいたった。
淳平の話から、昔の感情が湧き上がってきた。
俺って結局何をやりたかったのか。考え始めていた。
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