エッセイ#67『犬と裸/応挙と蘆雪』
東京は東中野にある東京黎明アートルームへ、「応挙と蘆雪」という展示を観に行った。日本画や焼き物にはそんなに興味がない私が、観に行くことを即決した理由はズバリ「江戸の犬を見たいから」である。
江戸の犬、もちろんこれは作品名ではなく私が勝手につけた愛称だ。正しくは『柳双狗図』という長沢蘆雪の作品で、私はこれをネットニュースでちらっと見た際に一目惚れしてしまった。
普段は日本画にも犬にもほとんど興味を示さないくせに、その2つが合わさった作品にトキメキを覚えてしまうとは。固く閉