見出し画像

朝ドラと月9を観て思い出す。バブルの残り香漂う90年代と舞台通いの日々

朝ドラ「カムカムエブリバディ」第3週は稔さんのお父さん、安子ちゃんのお父さんに泣かされました。お互いの商売へのエール交換。それぞれの息子への愛情。佇まいだけで人生も想いも感じさせる、ベテラン二人の演技に見入ってしまった。2度3度見ても泣けた。

演じる段田安則さん、甲本雅裕さんは舞台出身。どちらも90年代に絶大な人気を誇った劇団で活躍されていました。ドラマを観ながら、ふたりの舞台を観に行ったことを思い出し、当時のパンフを引っ張り出してきました。(パンフ棚のホコリがすごい。どこかで整理しないと…)

東京サンシャインボーイズIMG_1742

安子の父は、あの人気脚本家主宰の劇団出身

安子ちゃんのお父さんを演じていた甲本雅裕さんは、来年2022年の大河ドラマの脚本家・三谷幸喜さん主宰の「東京サンシャインボーイズ」のメイン役者でした。

当時人気劇団だったサンシャインボーイズのナマの舞台を初めて見たのが1994年の「ショウ・マスト・ゴー・オン」でした。めちゃめちゃ面白い!この劇団これからずっと追っかける!と決意した瞬間、解散を知らされて文字通り「がーん」とショックを受けたのでした。

ラスト公演もちろん行きました。

サンシャインボーイズチケットIMG_1741

確かキャスト違いで2パターンあって、両方行ったのでチケットが2枚。D列ってめっちゃいい席! あの頃はネット先行発売とか無くて、お芝居のアンケートに住所書いておくと、次回からハガキや封書で先行案内が来たり。あとはひたすら電話とか。懐かしいなあ。

それにしてもチケット代3500円って! 安くてびっくり! 人気脚本家の三谷幸喜さんの劇団なのに! 今じゃ10000円近く出さないと買えないのに。

稔さんの父も安子のおばあちゃんも舞台出身

稔さんの父の段田安則さんも「劇団夢の遊眠社」という、野田秀樹さん主宰の大人気劇団のメンバーでした。80年代からの小劇場ブームをけん引したといわれる劇団ですが、上記の「東京サンシャインボーイズ」とは全く違ったテイストの舞台で、初めてそのステージを観たときはかなりの衝撃を受けました。安子のおばあちゃん鷲尾真知子さんも遊眠社主宰だった野田秀樹さんの舞台で何度か拝見しています。

舞台出身の役者さんたちがドラマで活躍しているのを見ると嬉しくなります。演劇好き舞台好きあるあるです。

稔父と同じ劇団出身のふたりが月9に

朝ドラだけでなく、連続ドラマも結構観ています。先週11/15の月9「ラジエーションハウスⅡ」通称ラジハ2を観ていたらここでも発見。

甘春先生(本田翼)のお父さん役の佐戸井けん太さんと
副院長・鏑木先生役の浅野和之さんって

カムカム稔さん父の段田安則さんがいた
夢の遊眠社の看板役者だった2人じゃないか!
ちょっとコーフンしてしまった。

画像3

1991年の「贋作・桜の森の満開の下」。これは初めて観た遊眠社の舞台で、ステージのど真ん中で存在感を放つ桜の樹とそこで繰り広げられる言葉遊びとセリフの応酬に圧倒されたのでした。1992年の「目に青葉ヤマホトトギス赤穂浪士」どちらも浅野和之さん、佐戸井けん太さん出演。多分、おふたりを初めて観たのも遊眠社の舞台だったと思う。

チケット代4200円か~。東京サンシャインボーイズの3500円にもびっくりですが、今では考えられない値段ですね。

舞台の想い出が芋づる式に

別にマウント取りたいわけではないのですが、ずっと前に観て心を揺さぶられた舞台に出演されていた方たちが、こうやって活躍されているのを観るのはめちゃめちゃ嬉しい。

NODAMAPキル パンフ

こちらは「夢の遊眠社」解散後、野田秀樹さんが文化庁の研修制度でロンドンに1年間留学した後に立ち上げたカンパニーNODA・MAPの第1回公演「キル」と第4回公演の「キル」。モンゴルの蒼き狼ジンギスカンを巡る一大叙事詩。野田さんの舞台はどれもひとことで説明するのが難しいのだけど、ことば遊びのシャワーを浴びる感じが凄くて「なんだかわからないけど凄い」と自分の語彙力の無さに途方に暮れた20代のわたし若かった。

いま思えば語彙力なんてなくても
すっげー!面白い!でよかったんだ舞台は。

カムカムのヒロインも発見

話はカムカムに戻りますが、安子ちゃんのおばあちゃん役の鷲尾真知子さんは初演の「キル」再演の「キル」どちらにも出演されてました。

そして再演の「キル」のヒロインは深津絵里さん。カムカムの二代目ヒロインじゃないですか~。ちなみに主役を演じているのはどちらも堤真一さん。2014年の朝ドラ「マッサン」の鴨居社長ーー! と、どこまでも朝ドラ脳。堤真一さんは2000年の月9「やまとなでしこ」も好きでした。朝ドラ脳含むドラマ脳で、どんどん広がってしまいそうなのでこの辺にしておきます。

********

大学で最初に友達になった同級生が高校時代から遊眠社が好きで、その影響で舞台をいろいろ観に行くようになったんだった。サークルの先輩に誘われたり、身内が劇団に入ったり、なんやかんやで気が付けば舞台鑑賞が趣味のひとつになった90年代。

まだバブルの残り香が漂っていた90年代の空気を
朝ドラと月9で一気に思い出した。

というタイトル通りのお話でした。

いいなと思ったら応援しよう!

紫陽花@朝ドラ歴約40年(元エンタメ雑誌編集者)
いただいたサポートは、大好きなエンタメ業界を応援するため、また活動資金のために使わせていただきます。誰かのココロに響くことばを届けるために精進していきます。楽しさ、優しさを届けたい。