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秋の夜長に!ちょっとマニアックなおすすめ本

こんばんは。久しぶりに更新します。

この夏休み、時間が有り余っていたので沢山本を読みました。文学の素晴らしさで胸がいっぱいです!

早速ですが、今回は今まで読んだものの中で私がおすすめしたい小説を記録代わりに書きたいと思います。刺激的なお話が読みたい!といった方におすすめです。
退廃文学と言われるような不気味だけどどこか美しさを感じるものを中心に選びました。

先にことわっておくと、独断と偏見で書いてます。詳しいあらすじは省いてるので、興味がでればぜひ検索してみて実物を手に取ってみて欲しいです。簡単なあらすじは、全て裏表紙などを参考にしています。

ではどうぞ↓

・ダンテ  「神曲」 

西洋美術の基礎といっても過言ではない作品。1人の青年が、地獄・煉獄・天国を巡るドキドキ冒険譚。魔法ものが好きなら絶対ツボる1作。今流行りの異世界ものっぽい

言わずもがなの名作。悪魔とか堕天使とかに"トキメク"方はぜひ読んで欲しい!!古典文学の中では、とっつきやすく読み易い。
おすすめは、講談社。

・ジョン・ミルトン  「失楽園」

少し説明しにくいので、簡潔にまとめると…
最も神に近かった天使ルシファーが、神の怒りに触れて堕天し、サタンとなる。そこから、彼が神に復讐するまでのお話。

地に堕とされた恨みを、直接神に晴らすのではなく、神が創造した人間を誘惑し背かせることで晴らすサタン。なんとも腹黒い。
キリスト教の中でも特に重要なシーンを奇想天外に描いたキリスト教文学の最高傑作。
ルシファーが題材なので、厨二心がくすぐられる。岩波がおすすめ。

・ゲーテ  「ファウスト」

簡単にいうと、神と悪魔の賭けのお話。
主人公であるファウストが、悪の道に堕ちるか否かを賭けた悪魔メフィストフェレス。
人の身ではなんの理も知ることができないと絶望していたファウストに近づいて、契約したメフィストは彼を若返らせる。そして、ファウストは悪魔に連れられて様々な経験をすることになる。

読め。とりあえず読め。
くどくど説明するより読んだ方が早い!
メフィストフェレスほど、魅力的な悪魔はいない!
"時よとまれ、お前は美しい"で有名。
読めるなら森鴎外で読んで欲しい。あの艶やかな文がたまらないので。
読み易さは、断然、池内さん。(集英社)

・エミリー・ブロンテ   「嵐が丘」

身寄りをなくし荒野に建つ屋敷の主人に拾われたヒースクリフ。暫くは幸せに暮らしていたが、屋敷の主人が亡くなりその息子が主人になった途端その生活は一変する。下働きに格下げされ、冷遇される彼の心の支えは、美しいキャサリンだけ。2人はお互いを想いあっていたけれど、次第に彼女の心は裕福な青年に移り変わっていった。自分を捨てた彼女に嘆き悲しみ、屋敷から逃げ出した彼は復讐を誓い、立派な紳士になって屋敷に戻ってくる。そこから繰り広げられるは、悲しき復讐劇。

情熱的でありながら、退廃的な文章がいい。
哀れな男の復讐譚。

・シャミッソー  「影をなくした男」

貧乏な男が、怪しい人物に影を売ってしまうお話。沢山の金貨と引き換えに影を失った男を待ち受けていたのは世間の冷たい視線だった。

人によって評価がわかれるが、私は好き。
人の愚かさをよく描いている作品。影がないだけでどうして冷遇されるのかー
それらは一切語られない。憐れな男の結末がどうなるのか、終始ドキドキしてしまう一作です。

・ウィリアム・ゴールディング 「蠅の王」

無人島に閉じ込められた少年たちの生活を描いた作品。無人島という極限状態の中、徐々に狂っていく少年たち。

無人島に漂流して、、などの作品は沢山あるが、この作品は別格だ。未知が人に与える恐怖は、人を狂わしてしまう。
最後の結末が、なんとも言えない。
それが彼にとっての幸せならば良いと思う。

・ポー 「黒猫」

動物好きの男が、酒に酔って飼い猫の黒猫を殺してしまう。それに罪悪感を抱いた彼は、よく似た黒猫をまた飼い始めるが、その黒猫に次第に恐怖を抱くようになる。そんなある日、ひょんなことから次は妻を殺害してしまった彼は焦ってその死体を壁に隠してしまう。

猟奇的な恐怖って最高。
この中だと1番読み易い。
底知れぬ闇と最後まで明かされない恐怖の正体。
読み終わった後も、どこかで黒猫の鳴き声が聞こえてきそうだ。
ポーの小説は、本当に素晴らしい。

・ドストエフスキー  「悪霊」

新しい思想が急速に広まった国で、旧体制の価値観は急激に力を弱めていた。そんな動乱の最中、若者たちは秘密組織を組織して国家の転覆を狙っていた。

個人的には、ドストエフスキーの中では、読み易い作品だと思っている。
狂人しかいない世界。けれど、本当に彼らは狂人なのだろうかと考えさせられる。
ドストエフスキーが求めた思想がよくわかる一作となっている。
堕落が人を人たらしめると説いた人がいたけどそれを思い出す。

・ドストエフスキー  「地下室の手記」

極端な自意識過剰から世間との関わりを絶った男は地下に引きこもる。そこで語られるのは、愚かでちっぽけな男の独白。

わりと読みやすい!人の本性とは何なのかを考えさせられる。ドストエフスキーの作品を読むにあたって目を通していた方が良い作品だと思う。

・シャーリイ・ジャクスン 「ずっとお城で暮らしてる」

住民が毒殺された過去をもつ屋敷で暮らす姉妹。彼女たちは、2人だけの独自のルールに従って生活していた。外の世界は危険だからと屋敷に引きこもっていた彼女たちだったがそれでも平穏な日々を過ごしていた。けれど、その平穏な日々は外界からやってきた人物によって壊れ始める。

甘ったるくて、耽美な何かに殺される。
一部の人には、嵐が丘の次くらいには有名かもしれない。
作中の「みんなしんじゃえばいいのに。そしてあたしが死体の上を歩いているならすてきなのに。」が好き。
退廃的な文章が好きなら必ずツボる。

以上が、私がおすすめしたい本です。
どの作品も素晴らしく、それぞれに違った面白さがあります。


薄暗い中にじわりと香り立つ何か。ぞくぞくするような美しさが詰まった作品たちを、これからの季節のお供に如何ですか?

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