ホトトギスが意味するものに驚く【漱石俳句集】
帰ろふと泣かずに笑へ時鳥
聞かふとて誰も待たぬに時鳥
2023.1.1のメロディアスライブラリー放送。
一番始めに載っていた俳句ですが、
これを見ただけではわかりませんでした。
そもそも夏目漱石が
俳句を作っていたことを知りませんでした。
『吾輩は猫である』『こころ』など
小説のイメージが強いです。
正岡子規も歴史や国語の授業で習いましたが、
夏目漱石と親交があったことは知りませんでした。
知らないことだらけです。
・時鳥(ホトトギス)とは
ホトトギスは、肺結核を意味していたそうです。
これには驚かされました。
明治時代の当時、肺結核が流行っていたことを思い出しました。
今でも完全になくなったわけではありませんが。
また、ホトトギスは口の中が赤いため、
昔から「鳴いて血を吐くホトトギス」と言われました。そこから、血を吐く病気・結核に例えられるようになりました。
・中国の故事が由来
しかし、「時鳥=肺結核」とわかっても、
この俳句の意味するところがわかりません。
中国の故事が由来です。
詳細は調べたら出てくるため、
ここでは割愛します。
夏目漱石が
吐血した正岡子規を励ますために送った句です。
・帰ろふと泣かずに笑へ時鳥
病気で気弱になった子規を
自分の国に「帰りたい」と鳴く
ホトトギスにたとえて
「帰ろふと泣かずに笑え」と励ましました。
・聞かふとて誰も待たぬに時鳥
昔あった自分の国が滅ぼされて、
現在では別の国になりました。
ホトトギスが、
「(今はない)国に帰りたい」と鳴いているものの、
帰る道を聞こうとしても誰も待つ者はいません。
この句は、古い国にしがみつかずに
新しい国、時代に皆進んでいるのだから
共に進んでいこうじゃないかと励ましています。
・感想
一句一句、下部に解説がありました。
解説を読んでやっと
「こういうことか」と想像がつきました。
たった17文字の俳句の中に
伝えたいことが詰め込まれていると思うと、
いろんな想像を引き立てるなぁと感じました。
以上、ちえでした。
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