デジタルタトゥーの怖さを思い知らせる作品3選
「この人、こんなこと書いて大丈夫かな」
時々SNSを見ると、
過激のことを書いてる人を散見します。
言いたいことはわかるけど、
「何も残る形で投稿するのはどうなのか」
そう思わざるを得ません。
そこで、デジタルタトゥーの怖さを
思い知らされた作品を紹介します。
・##NAME##(児玉雨子著)
小学生の時にジュニアアイドルをしていた
主人公雪那(せつな)が、
中学生になってからいじめられたり、
大学生の時に家庭教師をクビになったりします。
ジュニアアイドル時代、水着やコスプレを着て
きわどいポーズの写真を撮っていました。
今は関係なくなったとしても、
過去を調べられれば、知られてしまいます。
過去から逃れられない怖さを感じました。
・流浪の月(凪良ゆう著)
同じデジタルタトゥーでも、
こちらは他人に勝手に撮影されました。
小学生だった主人公更紗は、
当時大学生だった文について行きました。
それが誘拐事件に発展。
更紗と文が2人で動物園に行っているときに
更紗は保護。
「ふみ〜」と叫んでいるところを動画を撮られ、
何年経っても拡散し続けました。
その後の2人の動向を調べられました。
文は出所後、カフェをやりますが、
過去を暴かれたため閉めざるを得なくなりました。
何年経っても、消えない怖さを感じました。
・あいにくあんたのためじゃない(柚木麻子著)
短編6篇からなる作品ですが、
うち2篇がデジタルタトゥーに関わります。
「めんや評論家おことわり」と
「スター誕生」です。
「めんや評論家おことわり」は、
あるラーメン評論家が、
勝手に店員や客の写真を撮って晒し者にしました。
後に、彼は仕事がなくなります。
当時の投稿が残っているため、
何をしても炎上する状態になりました。
平穏な暮らしを壊された撮られた人も、
面白おかしく書いた方も、
デジタルタトゥーに人生を狂わされたように見えました。
「スター誕生」は、
YouTuberが撮影した一般の女性(MCワンオペ)が
バズったが故に問題が起こりました。
職場にまで押しかける人が出てきたため、
生活に支障が出ました。
しかも、本人の意志とは関係なく、YouTube撮影中に映ってしまったことから起こりました。
意図せずネット上で広く知られてしまうと
平穏な生活は送れなくなると実感しました。
・感想
振り返ってみて、改めてデジタルタトゥーの怖さを思い知らされました。
物理的なタトゥーは消せるものの、
完全ではありません。
患者さんでタトゥーを消すために
皮膚科に通院していた人がいます。
塗り薬をもらいに来ましたが、
「完全に消えない」と話していました。
デジタル上でも、大元の投稿を消しても
他の人が保存したり、コピーしたりして
どこまでも広がっていきます。
完全に消せません。
ネット上で公開するときは、
残っても困らないものに限定しようと
改めて思いました。