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読書メモ:ピープルアナリティクスの教科書

基本情報

『ピープルアナリティクスの教科書 組織・人事データの実践的活用方法』
一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会 著
北崎茂 編著
2020年5月30日発行

かれこれ人事の仕事、特に労務を中心に13年近くやっており、今後のキャリアや昨今の人事トレンド(ピープルアナリティクス、タレントマネジメント、健康経営等)にもアンテナを張っており、興味があり手に取った一冊。

「教科書」というだけにピープアナリティクスの基本から活用方法、また、組織構築、そして、具体的にピープルアナリティスクに取り組んでいる企業の事例と充実した内容となっている。

構成

第1章 ピープルアナリティクスとは何か
第2章 人事データを活用する視点
第3章 人事システムの再構築
第4章 分析テクニックとその活用法
第5章 データ分析の実務
第6章 運用の組織
第7章 これからのピープルアナリティクス
事例編
資料編

感想

現在は、工場人事を担当しており、一つひとつ異動の内容を確認したり、新人の配属マッチングを担当しており、ピープルアナリティクスどころかアナログが人事しか担当していない状態である。
体調を崩す前は、人事給与システムの刷新プロジェクトに入っており、システムの要件定義や現行システムのデータ移行等を担当していたが、中途で入ってキャッチアップするのは正直相当厳しかった。

人事のシステムを新しいシステムに移行するにも、会社で「制度」が異なっており、パッケージのままでは使えず、カスタマイズが発生するのだが、これがかなり厄介だった。このような状況だったので、「ピープルアナリティクス」的なことは、夢のまた夢の状況だった。
(会社的には他の部門で、パルスサーベイを毎月を実施しており、それなりに取り組みはしている)

データ分析前提の考え方として、必要なデータを一元的にためる「データレイク」があるのだが、この段階から会社によってはつまずくことになり、非常に実感を持って納得してしまった。
「日付」一つをとっても、データによって西暦と和暦が混ざっていたり、文字型で保存されていたりとデータ整備から必要になることが往々にしてある。

いきなり大上段に構えた分析は難しいとして、本書でも小さな単位で始めることが薦められている
採用時の情報を入社後も継続的に利用し、どういうタイプがハイパフォーマーになっているか、また、定着しているかや従業員にアンケートを取り、それを活かして職場の雰囲気を数値するなどである。

春季交渉で、賃金に関する簡単なデータ分析の経験があるが、「ピープルアナリティスク」と呼べるほどのデータ量や質の分析経験はなく、今後人事のキャリアとして積みたい分野であることを本書を通して思った。

本書にも書かれているが、人事はデータ重視というよりは、日々の地味なルーティンや企画選考でことが進むことが多く、それはそれでやりやすかったり、やりがいもあるが、どこか無責任な感じを持っている。
データを過信することはないが、データを使えるというのは今後人事に限らず求められる能力だろうと改めて感じさせられた。

本書は、基本から書かれており、非常に勉強になったとともに今後のキャリアを考える上でも刺激を受けた一冊であった。

その他(募集)

引き続き、いろいろな本・映画等に出会いたく、読者の皆様が今まで読んで面白かった本や映画等を募集しています。コメント欄に書いて頂けると幸いです。

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