就業が「ゼロ」に「リセット」された時に湧いた感情
私は今までに、強制的にというか周りの状況によって就業が「ゼロ」に「リセット」された時が2回ほどあります。
その時に出た感情のことを思い出してみました。
その時の感情は、必ずしも焦りや喪失感だけではなく、その後に何か「新しいことができるぞ」というワクワク感がみなぎってきました。そのような感情がみなぎってくるのは、私だけなのか、共感していただけるのか、よく分からないですが・・☺
私の就業がゼロにリセットされたのは、この2回です。
①新卒から勤務した百貨店を辞めた時
②教員を辞めて、転勤族の主婦になった時
①新卒から勤務した百貨店を辞めた時
百貨店に6年間勤務していた頃、会社が希望退職を募るようになったり、自分自身も販売職が肌に合わないと思ってきたりしたので、「この会社にずっとお世話になる」というイメージが薄らいでいっていました。
かといって、「はっきり辞めます」というきっかけも無く・・
そんな時に、私に人事異動の辞令が出ました。
私は「会社に居る」という緊張の糸がぷつりと切れ、人事異動のタイミングで、それを断って辞めました。
突然辞めた形です。
それまで、普通に出勤していたのに、気が付いたら会社を辞め、ハローワークに雇用保険の手続きの列に並んでいました。
ハローワークに行く道すがら、
「世の中の人たちは、働いているんだよなあ・・」とか
「家族には、大学まで行かせてもらって、就活の波にも乗れて、就職したのに・・」とか、色々と頭の中で考えていました。
会社で働けた、という所属が無くなって喪失感というか・・。今後の見通しも全くなかったので「どんな会社で、どのように働こう?」という焦りも。
数か月間、雇用保険をもらいながらハローワークに行き、仕事をさがすという日々でした。
イメージの中では、街づくりをしてやっと出来上がった街が、更地になった感覚・・。
喪失感や焦りの感情を一通り味わったあと、、
何だか心の底から力がみなぎってきました。
「更地になったのなら、ここから何でも築き上げていけばいいじゃん!」
「一般的には~」とかという常識を取っ払って広い視点で自分の人生について考えてみました。
すると、「29歳から教員免許を取得して、教員採用試験を受けて教員になる。」という目標が見えました。そしてその夢を、ストレート(最短期間)で叶えました。
②教員を辞めて、転勤族の主婦になった時
教員採用試験に合格し、教員(地方公務員)になった矢先、夫と結婚しました。
夫は全国転勤の会社員。
世の中の風潮からは、「奥さんは、転勤について行くっしょ。奥さんのの仕事の事情? 知らないよ。辞めるっしょ?」という空気を感じました。
自分がどれだけゼロから築き上げて転職を成功していたとしても、「転勤族の奥さん=仕事辞める」で片づけられるのだと・・。
世の中の風潮に抗おうと!? 1年間、遠距離結婚で過ごしました。私は広島、夫は東京・・。
かという私も、教員時代はプライベートそっちのけで仕事をし、体を壊しはじめていました。
結婚したと言っても、この一年、夫と数日しか会ってないじゃん!! 一生で換算しても、この遠距離結婚を続けると、夫と会えるのはやはり数十日だ・・☺
うん、、世の中の風潮に乗ってみよう。ハイ、転勤族の妻です。夫について行きます・・。
この時もやはり、ゼロから築き上げた街が、更地になったような気がしました。
「あぁ~、がんばってきたのになあ・・」
ゼロから教員免許を取得し、教員採用試験を受けて・・あのバイタリティを「もう一度やれ」と言われても、二度とできないでしょう。それだけの気力体力をつかって、やっと掴んだ仕事。
でも、もう決めたんだ。世の中の風潮に乗ります・・。
すると、なんだか心の底から力がみなぎってきました。
「主婦になったら、(教員時代よりは)プライベートな時間に時間を割けるよ。一生に一度の人生でしょ? なんか本気で学びたいことがあったら、学んだらいいじゃん。」
すると、自分の中で最大の疑問・・一番探求したい事として、
「キャリアって何なんだ?」という疑問が湧いてきました。
築いても築いても・・外部の影響によって「ゼロ」に「リセット」されることもありうる、「キャリアって何なんだ?」
本気で探求したい。
そうして、通信制の大学院に入学し、修士論文で「キャリア」について研究することにしました。予定通り2年間で修了しました。
もちろん、自分の本当に研究したかったこと、「キャリア」について学べた2年間は、とーーーっても楽しかったです。まあ、この内容についても、どこかで熱く語りたいです。
修士論文のタイトルは、「女性のライフコース選択の要因に関する検討」です。
修士論文を書く原動力になったのは、キャリアがリセットされたことによる、心の底からみなぎってきたパワーだと思っています。それを修論にぶつけました。笑
〇おわりに
キャリアがリセットされた、この2つの時期を思い返してみると、喪失感や焦りの感情を味わいつくした後、「ここから新たな道を築こう」という心の底からのパワーがみなぎってきた気がします。
#転職体験記