「寝てる大いびきの宿敵を討てるのか？」1-35古事記２と画「貴族猫の決意表明！ヤマト発進！」
武器庫の大室の中からは相変わらずクーデターを企んでいて兄弟を殺そうとしているタギシミミの大きなイビキが響いている。
国宝級笑顔の書道絵本画家Princess香龍です❤️
弟のヌナカワミミがグッと力を込めて大室の扉を開いた！
扉が《バタン！》と鳴ったので、中のイビキもぴたりとやんで「誰だっ！？」とタギシミミの声が聞こえた。
（ヤイ兄！今だ！！！）・・・と、ヌナカワミミがヤイミミに視線を送る。しかし、ヤイミミは震えて扉の裏側に隠れたままだった。
タギシミミは奇襲かと思って身構えたのに誰も入ってこないので戸惑いの声を上げた。
「・・・・・誰？・・・だ？」
ヌナカワミミは小声でヤイミミに催促する。（ヤイ兄、、早くっ！）
武器を持って殺そうと言う時になっても、ヤイミミは手足が震えてその場から全く動けない。タギシミミが用心しながらこちらに近づいてくる！！ピンチだ！！
ヌナカワミミが再度声をかけても、ヤイミミの震えは止まらない。早くしないと弓が射られなくなってしまう。
このギリギリの局面でも、ヤイミミはタギシミミを殺すことができない。ヌナカワミミは覚悟を決めた。
（ごめん、ヤイ兄！貸して！！）そう言って、兄が持っている武器をぶん取り、大室に駆け込み弓を放つ。（・・・暫く、誰も出てこないので油断したタギシミミ。ヤイミミのグッジョブ？だったのでは？）
タギシミミが「グッ」と小さく声を漏らして大室の奥へ逃げようと背を向けた時に、ヌナカワミミはもう一発射る。
その矢が急所を刺して、タギシミミはばたりと倒れて死んでしまった。
ヌナカワミミはこの勇猛さから、名前を讃えて「タケヌナカワミミ」と呼ばれるようになる。
弟の涼しい顔に、ヤイミミの背筋はゾワっと震えた。（こりゃ、かなわんと思ったのか。。。）
ヤイミミはヌナカワミミを見上げて言った。
「俺は何も出来なかった。あいつは俺らを殺そうとした敵なのに・・・俺には敵を殺す器量がなかったんだ。情けないけど。。。ヌナは、いやヌナカワミミ様はしっかり敵を殺しました。これは素晴らしいことです。俺は確かに兄だけど、天皇になるべきではありません」
「ヤイ兄、何言ってるの？そんな改まって。。。」
「ヌナ・・・私はこれよりヌナカワミミ様を助ける忌人（いわいびと）となり、祀りを行い支えましょう。兄とか弟とか関係なく、優秀な人が天皇になるべきだ。どうか俺をヌナに仕えさせてくれ」
ヤイミミに真剣な表情で見つめられ、ヌナカワミミはゆっくり首を縦に振った。
「わかりました。それでは僕が父様の後を継ぎ、天皇となりましょう」
「よかった。。。ありがとな、ヌナ」
こうしてヌナカワミミが神武の後を継ぎ、2代目・綏靖（スイゼイ）天皇として即位し天下を治めることになった。ヤイミミは多氏（オオウジ）などの先祖となり、子孫がめちゃくちゃいるのです。
覇王になるには仕方のないことだったのかもしれません。ハムラビ法典ではないですが「目には眼を」ですよ。この時代には力によって統治しないといけない局面もあり、覚悟が無いものが天下を治めるには難しい時代でもあったのでしょう。
戦いとはそう言うものなのに、いつの時代も争いが絶えないのは悲しいことです。古事記は物語性が強いのですが、歴史上のいろんな戦いの発端は結構つまらないことで起きるのかもしれません。
歴史を学んで教訓にすることが大事な学びになるんだと思うのです。
次回乞うご期待！！
【プリンセス香龍美術館】
今回の絵は「貴族猫の決意表明！ヤマト発進！」・・・何が起きるかワクワクの人生の一歩を踏み込む。覚悟はここから始まる。大丈夫！「一寸先は光だから！！」
猫と中世の貴族の格好をさせたモチーフを描いた初期の作品です。猫も犬も可愛いシュシュやお洋服などなどを飾りたいのに、少しもじっとしてくれないし、嫌がる。そんなモヤモヤを解消したのが「絵」でした。絵の中ではお澄まし顔もヒラヒラのレースも存分に味わえる！！加えて、いつでも見てられる！と思って元気が出る絵を描いてみました！！
F3(W215xH260)のキャンバスにアクリル絵の具で彩色したものです。
だんだん良くなる！未来は明るい！！
皆様に湯水の如く良き事が起きます！！
香龍アートサイトcreema
https://www.creema.jp/c/princess-koryu
「アートアクセサリー」サイトminne
https://minne.com/@koryu4976
参考文献/「ラノベ古事記」小野寺優、KADOKAWA
参考文献/「眠れないほど面白い日本書紀」板野博行、三笠書房、王様文庫
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