「八十健をもてなすイワレビコ」1-14古事記2と画「皆(かい)宇伽之御魂命(うかのみたまのみこと)」
忍坂(おさか)の大室(おおむろ)に着くと、オトウカシが川の近くで立ち止まり、西に広がる山々の一つを指さした。
国宝級笑顔の書道絵本画家Princess香龍です❤️
「イワレビコ様、あちらの忍坂の山の麓には洞窟に作った大室で生活している「土雲(つちぐも)」という尾の生えた土着の民がおります」
的確な地元民情報は続きます。「土雲の猛者、通称「八十建(ヤソタケル)」という気性が荒く数も多い民族がおりますので、お気をつけください!」
めっちゃ助かる情報を得て、イワレビコは八咫烏に敵の様子を見に行かせる。
「天つ神の御子、八十建は既に完全戦闘態勢だ!どうやって殺す?」・・・殺すのは八咫烏のデフォルトらしい。
まだまだ修学旅行気分が抜けなかったイワレビコも、今はしっかり作戦を立てて向かい打つ決心をしていた。
まず、土雲の八十建のために宴の席を用意する。日向から持ってきた残りの穀物をかき集め、足りない分はオトウカシとニエモツに用意させる。酒も忘れずに!そして、久米兵で料理が得意な人間を集める。
ご馳走を八十健に振る舞うために一行は大量の食材を持って大室を訪れた。
八十健の大室の焚き火のある広場は異臭を放つ獣の皮や骨が放置され、自給自足の生活がうかがわれる。
警戒した様子で大室から出てきた八十健の頭領らしき人は獣の皮をまとった装い。つまり、現代の私たちが想像する「原住民」って感じの出立です。
華奢なミチノオミが頭領の目の前に米や野菜、魚などの食材を差し出し、ペコリと頭を下げる。
頭領が「グルル・・・これは、なんのつもりだ?」と唸る。
次いでイワレビコが進み出て説明を加えた。「突然の訪問になってすみません。我々はあなた方と戦うつもりはありません。友好の証として、こちらの食材を八十健の皆さんにプレゼントしたいと思います」・・・・つまりパワーランチ!!??
頭領は食物をまじまじと見て、「米」を手に取る。「この硬くてちまっこい粒を食えだと?こんなもん食えるか!」
「そちらは炊いて食べます。甘みがあって美味しいんですよ」
「タイテ?」
イワレビコの説明に頭領は怪訝な顔。さらに「八十健の皆さんに、沢山の膳夫(かしわで)も手配しますから、ご安心ください」
「カシワデ?」
「料理人です。料理して食べるんですよ」・・・ますます混乱する頭領は不機嫌になってきた。やばいヤバい。
「うちの料理人は本当に腕がいいので、すごく美味しいので一口でもたべてみてください!!」・・・こうなったら、実演販売の営業マンです!!
「そこまでいうなら好きにさせてやる。・・・だが、少しでも変な態度を見せたら。貴様を晩飯にしてやるからな!!」
イワレビコはパァぁっと笑顔になって「ありがとうございます!日向のご飯は本当に美味しいので、楽しみにしていてください!」
・・・説明しよう!・・・米粒を「炊く」という手法は弥生時代に発明されたらしい。埴輪に米を壺に入れて水を入れて蓋をして蒸らしていたと言う証拠が発見されています。
また、原始時代は「料理」することもなく、肉や魚をただ焼いただけのものが主食だったようで、時には人肉もあったようです。頭領が「貴様を晩飯に」と言うのも冗談や比喩ではなかったようです。
と言うことで、一世一代の大掛かりな実演販売!?料理対決!??が始まります!!
次の展開を乞うご期待!!
【プリンセス香龍美術館】
今回の絵は「皆(かい)宇伽之御魂命(うかのみたまのみこと)」・・・ブローチの下絵「宇伽之御魂命(うかのみたまのみこと)」。九字切りの「皆(かい)」の神様。お稲荷さんでお馴染みの神獣の御狐さんに守られて稲穂を携えています。豊穣の女神様でもあります。死と再生を司り、全てのことを愛に変化させる、「美化」の力を持っています。
だんだん良くなる!未来は明るい!!
皆様に湯水の如く良き事が起きます!!
香龍アートサイトcreema
https://www.creema.jp/c/princess-koryu
「アートアクセサリー」サイトminne
https://minne.com/@koryu4976
参考文献/「ラノベ古事記」小野寺優、KADOKAWA
参考文献/「眠れないほど面白い日本書紀」板野博行、三笠書房、王様文庫
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