フィードバック大賞~組織開発日記#15
フィードバック・イズ・ア・ギフト。当社の行動規範=グロウディズムのひとつです。これを浸透させるために始めたのが「フィードバック大賞」。
なんでも大賞にすれば盛り上がるとでも思ってんだろ。(そうですが、何か?)
フィードバック大賞とは?
2021年、お互いの成長のため360度フィードバックを始め、1on1などあらゆる局面でもフィードバックを奨励しておりましたので、社内にはソコソコ「良いフィードバック」が行き交っているに違いない。
また(僕がそうだったように)、部下からややグサリとくるフィードバックをもらい、平静を装いながらも身悶える管理職の悲哀みたいなものがあぶりだせれば(サラリーマン川柳のノリです)、おもしろいイベントになるのでは?という目論見もありました。辛辣なフィードバックも、みんなで笑い飛ばそうというわけです。
ということで、思いつきを行動に移した社員を賞賛する「OITアワード」がいい感じに盛り上がったという実績に味を占め、またアワード化したのであります(OITアワードって、初耳の方はコチラ↓)。
あらためて、フィードバック大賞の主旨は、以下のようなことです。
このフィードバックがあったから、自分はこう変わることができた。
その「言葉」とその時の状況を社内で公募し、優秀なものにはGDP(グロウディアポイント=社内で使えるポイント)、最優秀には、当社通販チームマーチャンダイザーが仕入れた、高級ウナギを進呈しよう、という趣向です。
宝物のようなひとこと
では、過去2回行ったフィードバック大賞の優秀賞の中から、特に印象的だったものを3つご紹介したいと思います。
まず最初にご紹介するのは、全国の放送局や配信事業者に番組コンテンツを販売する営業マン、ハマダ君が、隣のセクションの先輩社員にさりげなく言われたひとこと。
番組販売の新規取引先開拓で実績をあげているハマダ君。最近は、池袋のスナックで知り合ったある企業の方を、社内の他の部門につないでクライアントになってもらうなど、部門横断的な活躍ぶりも目立ち大忙しです。
そんなハマダ君を入社の時から知るドウカイさんが、ある日オフィスで、本人にしみじみと言った言葉なのだそうです。
アワードの中でハマダ君は言いました。
「ちょうど年末で、外回りだ事務作業だとバタバタして苦しかった時。オフィスで背中あわせに座っているドウカイさんからこんな言葉をいただいた。おかげで、勇気づけられたし、仕事への意欲が増しました。毎日の業務がとても楽しいです」
それにしても、こんなフィードバック、背中あわせの先輩に言われてみたい!いいなあハマダ。とりあえず池袋行くか。
続いては、IT事業本部のコサカ君。ある案件に関して、目下の課題認識と、その対処法に関する自分の考えを報告していた際、帰り支度を始めた上長からもらったひとこと。
上長のカガワ部長によれば、「もう、いちいち正しいんで、任せた!」ということです。「自分で決めてどんどんやって、次のステップへ行け」と。
カガワ部長から、最高のお墨付きをもらったコサカ君。この言葉をきっかけに、「自信と責任感が増した」と語りました。
上長のマインドセットが変わる
続いて、経理未経験のホソカワさんが経理部長に着任してまもなく、部下から言われたひとこと。
ホソカワさんいわく。
「2020年7月に経理部長に就任しましたが、業務知識が不足している中、不慣れな伝票照査をひと月に何千件も行っており『これからもずっとこれが続くのか・・・』と精神的に疲弊していました。
そんなおり、部下の根岸さんとの1on1で受けたフィードバックです。
このひとことで業務遂行に対するマインドセットを教わり、経理へのモチベーションが上がりました。
おかげで実務経験ゼロだった経理の部長を3年間も続けられました。感謝です!」
この言葉を聞いたネギシさんは、思わず涙。
この1on1のあと、ホソカワ部長は3年間立派に経理部長を勤め上げ総務に異動するわけですが、彼が部長をつとめると、その部のエンゲージメントが軒並み上がることから、今や「1on1の名手」の名を欲しままにしています。その原点が、ネギシさんの一言だったのかもしれません。
1on1は、メンバーのための時間と言われがちです。でもそれだけでなく、マネージャーにとっての成長機会でもあるということの、好例だと思います。
言葉をもらった人が、言葉を贈った人に、あらためて感謝を伝える。その感謝を、社員の皆と分かち合う。
フィードバック大賞は、僕が少しだけ期待した「管理職の悲哀をユーモアたっぷりにあぶり出す」などという、ゲスな狙いとは全く無縁の、とても素敵な場となったのでした。
(つづく)