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なんでこんなに私は注目浴びるの?と友人に聞いたら返ってきた答え「ネタにしやすい」

私は小学生の頃から何かと周りに注目されてきた。
いわゆる目立つ人だったのだと思う。しおらしくしてても目立つ。普通に生きてても目立つ。

いじめに満たないようなこともたくさんあった。

多くは忘れたが上履きに画鋲や雪が入れられ、椅子に画鋲が貼られていたことがある。面白すぎて大笑いしていた。近くに居た音楽の先生に「どうした?」と言われ「上履きに画鋲が……あはははははは!」と笑いながら伝えると先生に心配された。あの心配は、私が笑っていることへだったのか、それとも画鋲以外にもなにかされているのではないかという心配だったのか、今でも分からない。ただただ、画鋲を入れた奴のやってることが幼すぎて笑いが止まらなかった。

これに関しては私にも非があるのでやった男の子を庇う訳では無いが一言添える。口うるさい学級委員長キャラだったのだ。別に学級委員長ではないが。四角四面にしか捉えられずルールを守ることが全てだと思っていた。そうすれば大人から「偉いね」「ありがとう」そう言われると頑なに信じていた。今でも抜け出せないでいる。大人だけど、大人の人に褒められたい。

所変わって大学。
うちの大学では後ろの席に行けば行くほど授業をまともに聞いてない人が増える。ゲームしてたりパチンコの話をしていたりホストの話をしていたり。ある時は知り合った年下の男の子と良い関係になりそうだったがなよっちくてあいつはだめだ、だから好きだと言われたけど振って帰ろうとしたのに追いかけて来なくて怒ったと彼女の友人に愚痴っていた。少女漫画を地で行っている。
授業中にする話ではないだろうとも思うが、聞き耳を立てて集中できてない時点で私も人のことが言えない。
パチンコやらタバコやらホストやら言ってる人たちに、私は人生で何度目かのネタにされた。

私はずっとロリータが着てみたかった。真っ黒なフリルとリボンをあしらいパニエでフワッフワにしたゴシックロリータ。焦がしキャラメルのような甘すぎない茶と透けたレースがかわいいクラシックロリータ。
着たらいいじゃないかと思う反面、子供の頃からネタキャラとして扱われ人に喜んでもらえると勘違いした私は可愛いを封印し自らネタに走った。親にも「可愛いのあるよ?いいの?」と言われたが、私はあの時言えていれば良かったのだろうか。頑固で素直になれず自分の中で解決しようとして「いいの」と言い続けた。

「将来タレントか芸人になりなよ」
私が友達をやめたら私は一人ぼっちになるとの焦りから離れたくてもなかなか決意ができないままいたら、女王と奴隷のような関係になってしまった子に言われた言葉である。
「ええ、そうかなあ」
嬉しい反面、スッキリしない淀みが自分の中に残った。なんだろう、手放しで喜べない。女優さんのように綺麗な子や、歌がとても上手い子に憧れていた。普通の女の子なのに、ネタにされていることに自分で選んだ道なのに段々と苦しくなっていた。 

引きずり続けて早10年。大学4年生。6年制なので卒業ではない。

思い立って、でもロリータ服を買う勇気がなくて付け襟とロリータ服に近いスカートを買った。ワインレッドの腰にリボンのあるスカート。甘すぎず大人っぽいちょうどいい可愛さ。黒のノーカラーシャツにレースの付け襟。黒いショートブーツ。朝からはしゃいでいた。可愛い、着てみたい服を着るってこんなに楽しかったんだ。

ホストやらなんやら言ってる人たちが私の服装を見て言った。
「俺自分の彼女がああいう服着てたら引くわ」
いつから私はお前の彼女になった。
「そう?俺は可愛いと思うけど」
ついでになにを着ようが自由じゃない?も付け足しておいてくれ。

授業に度々しかでない彼らに目をつけられたのはこのときだったと思う。度々しか授業に出ないくせに授業に出た時は必ず私のことで文句を言ってくる。後ろの席なのだ。丸聞こえである。
「案外気にしてないようで気にしてるよね」
母の言葉だ。

2週間以上に渡り言われたが奴らは週のうちに2回出るか出ないか、出ても4限あるうちの1限しかまともに教室の席に座っていないのでほとんど忘れたが私が流石にキレた日に何を言われたかは覚えている。
「鞄にアニメキャラの缶バッジつけててキモい」
アニメキャラではない。ゲームキャラである。いやアニメも放送されてるので間違ってはないか。あと可愛い可愛い男子高校生様ぞ?キモいとか言うなお前よりよっぽど美形で可愛くて有能だぞ。

しかし2週間以上に渡り私のことを散々からかってきたが推しの事を言われるのはなんだか腹が立った。私のことを言われるのは慣れている。嘘だ。何度も泣いた。辛くて授業受けられなくて泣きながら途中で帰ったこともある。受けないと授業内容がハードな授業だけ受けた。
それでも可愛い可愛い推しが悪口の対象になるのは許せなかった。しかし私はそこで直接彼らに面と向かって言える勇気もなかった。
ずるい方法を使った。
前に座る友人に「人の持ち物とか服装とかずっと後ろで採点し続けるの何なんだろうね。そんなに人のことが気になるの?私のこと好きなの?ガチ恋(本命、心から好きな人、キャラ、アイドル)なの?」
それ以来なにか言われることはなくなった。

友人に昔から注目を浴びること、大学で後ろから採点され続けたことを説明し最後に聞いた。
「勿論本人ではないので同じ男性目線からという理由でお聞きしたいのだがなんで奴はネタにしてくるの?」
「ネタにしやすいキャラってことだよ」
は????と言いかけたのをぐっとこらえた。
「私は宇宙で輝く美女ってことにしときます」
大学でネタにされ続けたときも実務実習でなにもしてなくても後ろで文句言われ続けたときも思うようにしていた。私はアイドルだから注目浴びるのも仕方がない。
すり減らして削れていく部分を見ないようにするための言葉。
「アイドルだからファンもアンチもいる。アンチもファン」
変なところだけ鋭利に尖っていく。

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