不思議な出来事
今でもはっきりと印象に残っている出来事がある。
それは一羽の鳩と巡り会ったこと。
私の職場でもある図書館への行き帰りは、大きな公園の横を通るのだが、そこにはいつも鳩の群れがいて、公園から少し離れた場所にもたまに数羽の鳩が道にいたりする。
いつものように自転車で図書館に向かっていると、道にいた数羽の鳩の中に、飛びきり美しい鳩が一羽いたのだ。
自転車を止めることなく横目で見ながら通り過ぎたのだが、その鳩は、ほかの鳩たちより一回り小さく、淡い艶やかなグレーの羽を纏い、それはそれはとても美しく見えた。
思わず「うわ〜」っと声が出たくらい、どちらかと言えば鳥が苦手な私が、生まれて初めて鳩を見て美しいと思った瞬間だった。
『あの子は絶対女の子だわ』
なんの根拠もなく、そんなことを思った。
それからどれくらい経った頃だったか。
1ヶ月?いや2ヶ月?
とにかくそのことをすっかり忘れていた頃だった。
同じく図書館のお仕事を終え、自転車を出そうとしたその時、誰かの視線を感じた。
その先には彼女がいた。
しかもゆっくりとこちらに向かって歩いてくるのだ。
私の顔をじーっと見ながら。
『あ、あの子だ』
その姿を見て一瞬で彼女だとわかった。
変わらぬ美しい羽を纏い、愛くるしい顔で私を見つめ、ゆっくりとこちらへ歩いてくる。
また会えた嬉しさと同時に、なんでここに居るのか不思議で仕方なかった。
だってそこは公園からも随分離れており、図書館の前の道をいつもホウキで掃き掃除するのだが、車も頻繁に通るし、鳩がいたことは一度もなかったから。
自転車の鍵を解除しながら、
「こんなところにいちゃ危ないよ」
と、ひと言声をかける私。
鳩離れしたあまりのその美しさと、摩訶不思議なその出来事に、なんだか少し怖くなってしまい、自転車を漕ぎその場を離れてしまった。
それから彼女とは会えていない。
もちろん、図書館の前に鳩が来ることも。。
それからしばらくして、家の中で割と大きな蜘蛛が出た。
最近稀に見る大きいやつ。
マンションなのに、どこから入ってきたのか検討もつかない。
そしてそのあとしばらくして、今度は職場でヤモリを見つけた。
どうしていいかわからないといったように、その子は逃げ場を無くし、怯えているように見えた。
蜘蛛もヤモリも苦手なはずなのに、不思議と気持ち悪いとは感じず、なぜか愛おしい気持ちになった。
どちらも丁寧に扱い、そっと外に逃してあげた。
ここのところずっと家族にある問題を抱えながら、一喜一憂しつつ日々を過ごしている。
どれもなんの関係もないかも知れないが、私はこれらのことがただの偶然だとはどうしても思えない。
ずっとそのことを心の中に秘めていたけど、何故だか今そのことを書こうと思った。
特に鳩の件に関しては、あんな可愛い鳩を見るのも初めてだったし、しかも二度も会えて、その上鳩と目が合うなんてことも今までなかったもんだから、ホントに不思議な出来事だったと思う。
みんな元気でいるかしら。
私もなんとか元気で頑張ってるよ♫
最後までお読みいただき有難うございました♪
ではまた。 Tomoka (❛ ∇ ❛✿)