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バイバイ ママ、おかえり シスター
Netflix にて配信されている『バイバイ、ママ!』を観終わった。
交通事故に巻き込まれ、我が子を一度も抱きしめることなくこの世をさまよう〝ゴーストママ〟のお話。
主演はキム・テヒ。
夫役にイ・キュヒョン、再婚した妻役にはコ・ボギョル。
ドラマ中盤から『愛の不時着』で5中隊の部下4人のひとり・ピョ・チス役を演じていた、ヤン・ギョンウォンが出てきて驚いた。
『バイバイ、ママ!』でもなかなかいい味を出しており、他の俳優さんたちの演技もとても良かった。
私を毎回キチンと泣かせてくれるドラマ。
悲しくて悲しくて、でも悲しい中にも〝大切な人を想う優しい気持ち〟や〝生きることの大切さ〟というメッセージが沢山詰め込まれた、とても素敵なドラマだったように思う。
主人公・ユリの周りにいる人達は皆んな、優しい人ばかり。
ラストは私的にはほんの少し物足りない感じがしたけど、全体的には大満足。
泣きすぎて疲れたけど、観て良かったと思えた。
私は亡くなった姉を思い出しながら、このドラマをずっと観ていた。
姉は19歳で結婚し、2度の離婚を経験していた。
40歳の時に私と同じ〝乳がん〟が見つかり、治療の甲斐なく48年の生涯を閉じた。
最初の結婚で2人の子宝に恵まれたが、親権は旦那さんの手に渡り、それから先、姉は子供を作ろうとはしなかった。
3度目の結婚はとても順調で、旦那さんは私と同い年で姉より6つも歳下だった。
妹の私が見ても恥ずかしくなるくらい仲の良い夫婦で、これでやっと姉は幸せを掴んだと喜んでいたが、病魔のスピードは留まることをしなかった。
8年の苦しい闘病生活を経て、2008年の冬に姉はこの世を去った。
母と私の要望で分骨をしてもらい、姉の骨の一部は父が眠るお墓にも入れられた。
2014年の7回忌法要の時であっただろうか…。
久しぶりに姉の旦那さんに会った。
そして帰り際にそっと伝えられた。
「あの…実は再婚をしまして…。子供も産まれまして…。…すみません…」
彼は申し訳なさそうに、母と私にそう言った。
正直、驚いた。
複雑だった。
でもそれを責めるのは違う。
彼は幸せになる権利がある。
それを聞いた母は黙っていた。
「そうなんだ、おめでとう。良かった」
私は母の代わりにそう伝え、もう彼に会うことはないだろうと、分骨して良かったと、心からそう思った。
彼も最愛なる妻を亡くし、ずっと苦しんできたのだ。
それがどんなに辛い日々だったのか、私達には想像もできない。
天国にいる姉がその事実をどう思っているかは分からない。
本当は、彼との間に子供が欲しかったのかも知れない。
本音はずっとひとりで生きて欲しかったのかも知れない。
でも新しい家族が出来て彼が幸せな日々を過ごしていることを、きっと姉は空の上から優しく見守っているに違いない。
そんなことを考えながら、このドラマを観ていた。
今年もお盆がやってくる。
3日前にお墓参りを済ませた母と私。
姉はもしかしたら、私の隣でこのドラマを一緒に泣きながら観ていたかも知れない。
何度かふとそんな気がしていた。
幼い頃から、働く母の代わりに私の面倒をずっと見てくれた姉。
可哀想な最期を迎えた姉。
大切な人を亡くした悲しみや後悔は、何年経っても無くならない。
でも、残されたものは前を向いて進まなければならない。
亡くなった人が悲しまないよう、笑って生きていかなければならない。
お盆は父と姉の好きだったものを沢山お供えしよう。
そして母と笑って皆んなで過ごそう。
※最後まで読んでいただき有難うございます!
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