sui*

植物を育てることはライフワーク。 特養(特別養護老人ホーム)のナースをしています。 癒しのスキルを磨きたいと思いつつ、ひとの優しさに癒されてしまう日々。 ときどき山に帰らないとエネルギー切れを起こします。 ハーブクラフト、布の手仕事します。

sui*

植物を育てることはライフワーク。 特養(特別養護老人ホーム)のナースをしています。 癒しのスキルを磨きたいと思いつつ、ひとの優しさに癒されてしまう日々。 ときどき山に帰らないとエネルギー切れを起こします。 ハーブクラフト、布の手仕事します。

最近の記事

痛みの緩和

ある日の出来事。 駅ビルに買い物に出かけました。 セールで混み合うお店の前を横切った時、すぐ傍のベンチに座っている人が目に入りました。  あれ、調子が悪いのかな?  通り過ぎて、品物を物色しようとしたものの、 気になってもう一度戻り、少し近くでその女の人を観察しました。  目を閉じているし顔色が悪い。唇の色も。 少しためらいつつ 「どうされました?もしかして具合いが悪いですか?」 声をかけると 「…はい、調子が…悪くて…」 かすれた声は弱く、会話を続けるのが辛そうな様子。

    • タイミング

      10月、特養を退職すべきか悩んでいました。 きっかけは、これまで正社員のナースがやっていた業務のいくつかをパートのナースで分担するよう上司から打診があったこと。 人手不足のあおりです。 この1年間で辞めた正社員ナースが5人というのは多い方。 それだけ仕事が過酷ということです。  かなり憤り辞める気満々だったのですが、1ヶ月冷静になって考え、もうしばらく続けることにしました。  文句言うのも辞めるのも簡単だけど、今の職場ならフットケアの実技を練習できる(時間をひねり出しつつ笑

      • 看取り時における点滴と窒息のリスク

        特別養護老人ホームで看護師をしています。 私が働く施設では入所者様に点滴治療をすることがあります。  飲食できなくなり体力が落ちた時、一時的に点滴をすることで再び元気が戻ることがあります。 それを期待して看取り対応の方にも家族の希望があれば点滴治療をすることがあります。 (やらない選択もできます。基本的に看取りとは、日常生活の介助のみで延命を期待した医療的処置はしない。)  しかし、旅立つ日が近くなると1日500mlの点滴でも気道内分泌物(痰)が増え、咳で出せず肺に痰がたまっ

        • 爪切りが苦手

           私は人に爪を切ってもらうのが苦手だ。 痛い思いをしたことは一度もないのに怖くてたまらない。  なのに、なぜかフットケアに興味が湧いて受けたところ、驚く程の至福体験をしました。  プロの技は1ミリの恐怖もなく、寝てしまう程に気持ちが良かった。 爪ケア後のリフレクソロジーも最高。 冷え性なはずの私の指先は暖かく心地よかった。  それから一年半、フットケアを学びつつ爪切りケアの実践を積んでいるところです。  今日はショートスティで入所者さんの爪切りをしました。  切った方3

          急変

          「私さん○○さんの酸素が上がらないんで応援に行ってください。」  ナース室に入るやいなや声を掛けられ、○○さんの下へかけつけて、たん吸引をしました。   しかし気管でゴロゴロ音がするもののチューブが入らない。体位や頭の角度を変えても、本人が舌で押し戻してしまうために届きません。  上手な人に替わってもらったが、それでも入らない。  3人目のナースに変わってもダメ。 こんなに入らないことは今までなかったのに。 「気管にチューブを入れたくない。 それが○○さんの意思なんですか…

          より良い最期の時を

          心疾患をもつYさんは、特養で最期の時を迎えようとしていました。  私の働いている特養では、看取りケアをしますが、それに酸素療法や点滴治療など、医療的なケアも可能。  全身状態が悪かったYさんは点滴治療が開始されましたが、日を重ねる毎に痰が多くなり、朝一番に様子を見に行くと、喉に痰が溜まり、spo2が80%まで低下していました。痰吸引して、1度は上がるものの、しばらくすると再び痰が出てspo2が下がりました。  点滴のせいで窒息する恐れがある。 ご家族に相談すると点滴をやめてほ

          より良い最期の時を

          敗血症

          特養に入所しているAさん。 数日前から血尿と発熱が続いていましたが、抗生剤の治療が始まった昨日から解熱し、飲食も摂れるようになってきました。   峠は越えたかなと思いつつ、朝バイタルを確認すると脈が異常に早い。実測で114/分 人の正常な脈の速さは60〜90/分 100/分を超えると頻脈 60/分を下回ると徐脈 感染症にかかり、熱があがると頻脈になるのは普通だけど、Aさんの場合は平熱(36.5℃)に戻っていました。   思い浮かんだのは、 ①血尿で貧血になった影響 ②敗血症

          ギブアップ

          ギブアップ。 同僚のナースSさんが嫌。 一緒に働くのが辛くなるから、嫌いたくなかったけど、嫌悪感を抱く自分を赦す。  なぜ嫌いなのか。 依存的 動かない 怠けている(ように見える) 仕事がいいかげん(に見える) ミスを反省してない(ように見える) みんなでやる仕事をやらない。 自分の仕事ばかり優先。 他者のフォローは皆無。 他者は自分の鑑という視点から見ると 私の中にそういう側面があるのかと自問してみる。 いや、無いぞ。 では、こうあるべきという私の固定観念を見せつけられ

          ギブアップ

          どちらも半分ずつなら

          良いことが半分、嫌な事が半分の世の中 どちらを多く経験したいか。 どちらを向いて生きると決めるかは自分次第。  お花見に行って、上を見ると美しい桜が見えて、下を見るとゴミが落ちている。 ゴミをみて嘆いたり怒ったりしてもよし、気にしないで美しい花を楽しんでもよし、ゴミを拾いながら花見を楽しんでも良し。 人それぞれ好きなように選べばいいのだ。 視点を変えてみると、見えなかったことが見えてくる。 それまで自分が決定していた世界がそうでなかった事に気がつく。 そう感じたこの数日でし

          どちらも半分ずつなら

          私の願い

          とあるワークをしました。 まず、今ある幸せを書き出せるだけ出してみる。 次に、自分の一番叶えたい願いを書いてみる。 そして、先に書いた幸せ3つを失う替わりに一番の願いが叶うとしたら、何を失って良いと思うかを自分に問う。  今ある幸せを書き出すと、沢山出てきた。 目が見える、耳が聞こえる、言葉が話せる、トイレに自分で行ける、ご飯を食べられる、自分の歯で噛んで飲み込む事ができる等など…ノートいっぱい。 とれも失いたくないけど、強いて選んで失ってもいいかなという事が私の場合ちょ

          私の願い

          なあなあにしない

          同僚ナースにAさんに投与する便秘薬の相談を持ちかけられた。 その日、私の担当ではない方でした。  「座薬で出なかったんだよね。」 と話すので、それなら内服薬を夜に飲んだらどうかと助言しました。  次に、量をどうしようと相談されたので、普段の便秘時に飲んでいる量を確認後、それを介護士さんに依頼することに。 ところが 最近受け持ってなかったAさん。 確か便秘の時は朝に便秘薬飲んでたよなぁと思い出し、嫌な予感がしたので介護士さんに確認してみると、朝飲んでいますとの返事。 まじか

          なあなあにしない

          心不全でも帰りたい。

          朝礼で、Kさんがお腹が痛くてごはんが食べられなかったと報告がありました。  Kさんは慢性心不全の持病がある方、念のためと思い、すぐに様子を見に行くと、胸が苦しくて喘いでいました。  spo2もやや低い、心拍数は90代、聴診で肺野全体からボコボコと水泡音が聞こえました。 心不全増悪の症状です。 病院に行こうということになり、救急搬送。 入院かなと思ったけど、戻ってきました。 心不全だけど、入院はしたくない、ホームに帰りたいとご本人が希望されたとのこと。  病院から帰って1時間

          心不全でも帰りたい。

           自分は?

           「看護師さんが出てくれればいいのに! 」 共用フロアで経管栄養をしている背中でその声を聞いて ん? と思ったと同時に電話が鳴っていることに気がついた。   あぁ電話が鳴っていたんだ。 私は集中していたせいで全く気が付かず。 普段は介護士さん達が電話を取るけど、その時は たまたま居なくて、普段そこにいない事務職員が大きな声で文句を言いつつ電話を取ったのだった。 そのあと、電話に出た職員が、ナース室に乗り込んで、看護師が電話に出なかったこと、出るようにしてほしいことをリーダー

           自分は?

          秋の手仕事

          今日はシソの実を収穫しました。 今年も虫がほとんどつかず、大きな茂みになりました。 プランター1つ分の青ジソ。 よく洗った後に花穂の軸から実を外し、塩を入れて30秒茹でます。 茹でると鮮やかな緑になりました。 瓶に入れたらきれいな緑に。 かさはかなり減ります。 瓶に入れて煮きったみりんと酒、醤油を注ぎます。 もう明日から食べられます。 賞味期限は1ヶ月位らしいけど、ごはんの友にしたら美味し過ぎて、たぶん1週間でなくなると思う。 お弁当のご飯に乗せるのが楽しみ。

          秋の手仕事

          フェーズを超える

          入所者Kさんと、Kさんの足のケア方法について折り合いがつかず困りました。   Kさんは意思が強く、こうと決めたら曲げないところがあります。 1日2回両足に薬を塗って包帯を巻く処置をしてほしいというのが彼の希望。 なぜなら、外来受診した皮膚科の医者がそう言ったから。受診時に同席した家族と数日後に話をした際に思い出したようでした。   受診後にもらった外用薬を使ってナースが手当をしており、1日1回の処置で患部は見違えるように改善していて、2回に増やす必要はないように思いました。

          フェーズを超える

          オアシス

          オアシス