急変
「私さん○○さんの酸素が上がらないんで応援に行ってください。」
ナース室に入るやいなや声を掛けられ、○○さんの下へかけつけて、たん吸引をしました。
しかし気管でゴロゴロ音がするもののチューブが入らない。体位や頭の角度を変えても、本人が舌で押し戻してしまうために届きません。
上手な人に替わってもらったが、それでも入らない。
3人目のナースに変わってもダメ。
こんなに入らないことは今までなかったのに。
「気管にチューブを入れたくない。
それが○○さんの意思なんですか…」
○○さんにそう声をかけました。
それならそれでも良いのかと思いつつ、たん吸引と呼吸介助を続けました。
SPO2は83% プルスは90 から動かず。
ドレナージ、タッピング、スクイージングしているうちに少しずつ痰が咽頭付近まであがり咳が出始めた。
咳を出すタイミングにあわせて吸引チューブを進めると、
入った!
と同時にすごい量の汚れた痰が出てきた。
しかも時々詰まりかけるほど痰が硬い。
なんでこんなに
…
気管の痰吸引はとても苦しい処置なので、
SPO2が下がらないよう、プルスが上がり過ぎないよう、陰圧をかけすぎないよう
休みながら慎重にやりました。
すると大量の痰が取れてSPO2は90%前半まで上がるようになりました。
しかし休みながら15分〜20分ほど続けても後からどんどん出てきて終わりが見えない💦
さすがにこれ以上は本人が辛いだろうと思いやめました。
施設医から酸素吸入の指示が出たのでSPO2が96%になるよう流量を調整しつつ酸素療法を開始。
ひとまず安心したのも束の間、再びSPO2が取れなくなってきました。
呼吸音や胸郭の動きは良くなってきてるのになぜ?
先ほどまで90代だったプルスは120を超えてきました。
手足が先ほどより冷たくなり、体が震えてる。
シバリングだ。
呼吸状態が悪いのではなく、体温を上げるために末梢の血管が収縮すると、心拍があがり、末梢でSPO2が取れなくなる。
体温を測ると38℃ありました。
ナース室に戻りリーダーナースへ○○さんの状態を伝えて敗血症性ショックとか、心房細動ではなくてシバリングによる一時的なものだと伝えると、安心して涙目に😅
医師が不在の老人ホーム。
不安だよね〜😌
体力の温存を考えて、解熱剤を投与。
呼吸状態が安定したのを確認してから
OS1ゼリーと白湯を胃ろうから注入しました。
安心するのはまだ早い。
肺炎か気管支炎疑いで今朝から抗生剤の投与は始まっているけど、レントゲン撮ってどんな状態なのかを確認してる訳ではない。
今朝みたいに気道内の分泌物がつまってしまう危うい状態であることを家族へ伝えて、病院でしっかり治療してもらうのか、ここで施設医の治療を続けるのかを、決めてもらうようにしましょうということになりました。
個人的には、病院へ入院して治療するのが一番良いことだとは思ってない。
ご本人の苦痛が少ない生活をすることが一番だと思っている。