子供のためのオルセー美術館(47)雪の中のモネ
初めて雪を描く
モネは雪が降る道に出ました。
これが最初の絵、
どんよりした灰色の空に鳥が2羽
つもった雪から頭をもちあげた葉っぱも あと、まわりの木も
黒い色ですばやくひと息に
それは日本の墨絵のように見えます。
それから次の日、
今度は 画家の友達がみんなで集まる大きな屋根の家の向かいから
反対方向の道を描きました。
お日様があたると
今日の雪はいろんな色が見えます。
大地の色、茶色や青が好きなモネは
そこに色々な色をまぜていきました。
にじ色にも見えるところがあるんだ。
変わっていく雪のひかり、
白だけじゃない雪のほんの少しの変化も モネは見のがしませんでした。
モネは言いました。
「もしかしたら、夏よりも冬のほうが楽しいかも」
"peut-être plus agréable encore l'hiver que l'été"
この後、雪の中の名作「カササギ」Pie (ピー) が生まれます。
Claude-Oscar MONET
Environs de Honfleur Neige
vers 1867
クロード モネ
オンフルール近郊 雪 1867
Claude Monet
La Charrette Route sous la neige à Honfleur
Vers 1867
クロード・モネ
荷車 オンフルールの雪道 1867
お読みいただきありがとうございました。
今年もあとわずか寒さも続く中、雪の作品を2点お届けしました。
一つ目の作品はルーブル美術館に、二つ目はオルセー美術館に別々にあります。
雪の作品は地味ですが、この絵に込めたモネの熱い思いはいかばかりでしたでしょう。雪の細部に渡って鑑賞しますと心打たれます。
ご存知、名作「カササギ」"ピー"は静寂の中の黒の一点、オルセーでも人気の作品です。
(今回のモネの作品の隣に展示されている「カササギ」をデッサンする人がいました)
ピカピカと呼ばれるカササギのお話