子供のためのオルセー美術館(64)ブーダン/モネの大好きな絵・モネの先生ブーダンの空
次々に変わっていく空の絵だ! ブーダンくん、きみはすごいよ! 《ボードレール・印象派の生まれる15年前の海辺で》
それは印象派の生まれるずっと前のこと。
詩人のボードレールは、ブーダンが海辺で素早く描いたたくさんの空の絵を見て驚き感動しました。
モネはその頃まだ19歳、絵の勉強を始めたばかりの時です。若かったモネはブーダンから、外で絵を描くことを教えてもらいました。
今日はそんなブーダンの空の絵を見てみましょう。
ブーダンの青い空と白い雲
ブーダンは、みんなから空の王者と言われました。
夕方になると、しずみ始めたお日様に照らされて、
空の雲はあんな色。
お日様がむこうに。雲は切れ切れに細くのびて夕日がのぞきました。
あ、月が出てきた。
川に月の光がゆらゆらうつっているよ。
海は…?
空とおんなじ色になりました。
こうしてブーダンは、海辺で何千枚もの空の絵を描いたのです。
モネも、ブーダンの空に感動して言いました。
「これだよ!その瞬間にだけ生まれる絵、ぼくもこうやって描きたいんだ」
Eugene Boudin
Nuages blancs, ciel bleu Vers 1854-1859
Pastel sur papier bleu-gris musée Eugène Boudin,
Premiere exposition impressioniste, 1874, possible n° 20
ウジェーヌ・ブーダン (1824-1999)
白い雲、青い空 1854-1859年頃
ブルーグレーの紙にパステル ウジェーヌ・ブーダン美術館
Ciel bleu, nuage: blancs Vers 1854-1859
Pastel sur papier bleu gris
Eugene Boudin, Première exposition impressionniste 1874, possible n° 20
青空、雲: 白 1854-1859年頃
ブルーグレーの紙にパステル ウジェーヌ・ブーダン美術館
Soleil couchant
Pastel sur papier beige musée d'Orsay
Première exposition impressionniste, 1874, possible n° 20
日没
ベージュの紙にパステル オルセー美術館
Étude de ciel au soleil couchant
Entre 1862 et 1870 Pastel sur papier beige
musée d'Orsay, Première exposition impressionniste, 1874, possible n° 20
夕焼け空の習作 1862-1870年頃
ベージュの紙にパステル オルセー美術館
Lever de lune sur l'estuaire Vers 1857-1859
Pastel sur papier bleu-gris musée Eugène Boudin,
Première exposition impressionniste, 1874, possible n° 20
河口からの月の出 1857-1859年頃
ブルーグレーの紙にパステル ウジェーヌ・ブーダン美術館
Couchant sur la mer Vers 1854-1859
Pastel sur papier bleu-gris musée Eugène Boudin,
Première exposition impressionniste, 1874, possible n° 20
海の夕焼け 1854-1859年頃
ブルーグレーの紙にパステル ウジェーヌ・ブーダン美術館
以上、オルセー美術館印象派展150周年企画展から ブーダンパステル画
お読みいただきありがとうございました。
今回はブーダンのパステル画の連作でした。
お子様とは、いったい何時ごろの絵かな、と想像してみてください。またブーダンの真似をして色々な色の空を描いてみましょう。
美術館説明にあるようにブーダンの数千に及ぶ空の絵から、第1回印象派展に展示されたであろう可能性の高い6点を今回の企画展では展示しています。
モネの師であり友人でもあるブーダンは海洋画家として名高いですが、印象派の始まる15年も前に、すでに空や大気の変化を描き、室内で絵を描いていたモネを海辺に誘いました。
ブーダン本領発揮の海の絵はまた改めてご紹介します。
オルセー美術館 印象派150周年企画展2024 50秒