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3月の地震

 先月はトルコで大きな地震がありました。トルコが大地震に見舞われたのは東日本大震災のあった2011年以来だと思われます。日本では25日に釧路沖を震源とする地震で震度5弱を観測し、緊急地震速報が出ました。今月11日で東日本大震災から12年。ヤフー天気の災害カレンダーをみると前半の週、昭和三陸地震、十勝沖地震、東日本大震災の2日前には前震とされる三陸沖地震が発生しています。その他にも桜島の昭和噴火や長野、静岡、福岡、能登など結構満遍なく様々な地域で記録されていました。春の到来とともに暖かくなり、花粉飛散も全盛期を迎えそうです。自然災害ではありませんが3月は世間を騒がせるような事件・事故も頻発してるイメージがあります。地下鉄サリン事件なども3月でした。最近、強盗絡みの事件が多いですが、ここ数日では少年事件が相次いでいます。動物の死骸が出てきたというのが端緒で1990年代後半に神戸の事件やその他キレる少年、17歳の犯行……というのが週刊誌の見出しになっていました。だいたいこの手の供述も似ていて「誰でも良かった」とか何となく閉塞感の時代が繰り返されているのかもしれません。

 さて、話を戻すと緊急地震速報の運用が開始されて以来、ほぼ毎月のように日本のどこかで緊急地震速報の音が鳴っている気がしますが、今月も1回くらいは発表される可能性があります。因果関係ははっきりしないことですが、ちなみに今月は7日が満月で、22日が新月(朔)となっています。今年は、関東大震災から100年にあたり、気象庁に特設サイトが設けられていました。プレート沈み込み型地震のメカニズムをわかりやすく再現した模型、何気にスロースリップか前震の揺れも再現されていて本当によくできています。このように、海溝型地震はプレートが沈み込んではね返ることで起きます。事実、高知県の海岸はプレートの沈み込みによって地盤沈下しています。前回の沈み込みとはね返るまでの時間はある程度一定間隔であることがわかっています。例えば、1707年の宝永地震時の隆起は2m弱、その約100年後の安政南海地震、またその約100年後の昭和南海地震ではそれぞれ約1mちょっと隆起したとされています。これを踏まえると2035年±5年までに南海トラフ巨大地震が発生すると言われています。これは予言ではなくて経験則に基づく予測です。ちなみに、中央構造線大断層の活動が豊かな瀬戸内海を形成した話がわかりやすく紹介されていました。この辺りの地形の話はブラタモリでもテーブルクロスのシワに例えて説明されていました。中央構造線の谷は紀の川、吉野川を沿って、途中、吉野川が直角に曲がっているところがずれ動いた証だとか。

 3月4日土曜日の夜7時半(日曜日午後2時55分〜再放送)、NHKスペシャルで南海トラフ巨大地震のリアルタイムで進行するドキュメンタリータッチで描かれる前後編のドラマが始まります。以前放送された首都直下地震の南海トラフ版だと思われます。大阪をはじめ主要都市機能はほぼ確実に麻痺すると考えられる、いわば西日本大震災をどう乗り切るのかいよいよ備えを充実しなければならない時期に来ているのかもしれません。

 放送後の感想、序盤、紀伊水道を震源とするやや強い地震があった時、家に一人でお留守番をしていた小学生の息子さんが、揺れが収まった後、冷静にテレビをつけて情報収集していました。この子はよくできた賢いお子さんで、学校の課外授業で、地震にまつわる石碑を見て回ったり、先生の言うことをしっかりメモして、日頃からお風呂に水をためたり、家族がばらばらの時も集合場所(約束の場所)を決めたりしていました。このドラマ、お父さんが町工場の会社を身売り、お母さんが学生時代の先輩と浮気まがい、このお子さんがまともだったのが唯一の救い。そして、大地震発生時刻、ウィーンウィーンウィーン!「地震です」スマホの緊急地震速報が鳴る。和歌山県南方沖を震源とする強い地震が発生、紀伊半島や九州の太平洋沿岸地域、四国はほぼ全域で震度7を観測する。内陸の直下地震だと緊急地震速報は間に合いませんが、震源が海の場合、緊急地震速報は大きな揺れが来る前に鳴ります。震源から離れた地域ではカタカタと初期微動が長く、あれ?地震?って感じですが、大地震ではその後に必ず主要動のドン!っと大きな揺れが襲ってきます。停電が起きます。東日本大震災では複数の地割れが起こったため大きく揺さぶられるような揺れが複数回に分けて襲ってきました。地震の規模が大きいと完全に揺れが収まるまで数分以上続きます。東日本大震災に比べると津波到達時間は早いと想定され、沿岸にお住まいの地域ではとにかく一刻も早く、遅くとも10分以内には高台に逃げなければならないので、忘れ物がないように前もって準備しておくことが重要です。津波は、川を遡上し、大阪の中心部、梅田にも到達します。地下街は水没します。細い路地では縮流と呼ばれる水が一気に流れ込むおそれがあります。また、ドラマでは描かれていませんでしたが、人口密度の多い箇所では群衆雪崩の危険性もあります。高層ビル郡では長周期地震動に見舞われます。気象庁は南海トラフの西側が半割れしたと分析します。その場合、次に東側が連動する可能性があり、臨時情報の発表を迫られます。すると、まだ被災していない他県からの救援が滞ります。被災地は自助努力するほかありません。ドラマでは臨時情報警戒を発出しますが東の半割れには言及しません。震源域はかなり広く、四国沖が南海、紀伊半島の東側が東南海、静岡沖が東海です。この南海、東南海、東海の3つの地震が関連し、江戸時代、徳川綱吉政権下、1707年の宝永地震は東海地震であり、富士山噴火の引き金になったと言われています。宝永地震は東海、東南海、南海の3連動(ほぼ全割れ)とされています。富士山は忘れがちですが活火山であり、今もうすでにスタンバイ状態であり、南海トラフ巨大地震が富士山噴火を誘発する可能性も指摘されています。そうなると太平洋ベルト一帯に被害が及び、物流の大動脈は寸断、経済的ダメージは計り知れません。西の半割れで阪神工業地帯だけではなく東の半割れで主に東海地方が震度7を観測し、中京工業地帯もストップすれば生産性は極めて落ち込みます。ドラマのニュース番組の見出しで日経平均株価が4000円下落とありましたが、もっと暴落しそうな気がします。ドラマの中では高知のおばあちゃんが震災関連死か。なぜか女性総理、国民に感情で訴えかけるような呼びかけ。公的支援には限界がある。時間がかかる。救援物資は、すぐには来ない。電気・ガス・水道の社会インフラの復旧もままならない。遠くの親戚より近くの他人みたいな、現場における互助会的なつながりが大切になってきます。菅内閣の目指した社会像、「自助・共助・公助」を思い出しました。

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