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【イタリア日記⑥】2024年10月(21~31日)


21日(月) プロレタリアート

焼うどんを作りました。
詩だと「やべぇこれ僕ガチで天才だわ」と自発的に思うのに、料理だと他人ひとから美味いと言われても「嘘つき」と卑屈になってしまうのはなぜでしょう。

なんかやたら赤い

気を取り直して、食後。アンと二人、車で近所のバールへ行きました。
アンは Gratta e Vinci!スクラッチ宝くじ が大好き...というわけでもないのですが、年に数回やりたがります。この日がその日でした。


Dai proviamo! Se vinci Gratta e Vinci,
'na vita senza fatica cominci!

Ma cosa dici! Se vinciam davvero?
Sai che potremmo fondare un impero!

(日本語訳)
さぁやってみよう! Gratta e Vinci!スクラッチ宝くじ が当たれば、
苦労のない生活が始まる!

何を言ってるんだ! もし本当に当たったら?
帝国を築けるかもしれないよ!

明日からも頑張って働こうな


22日(火)
秋曇アシスタントは今日は僕
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


22日(火) オーバーケア

いつもは朝5時半に起きる僕ですが、この日は4時半に起き、アンの仕事を手伝うため、やつと共に7時半に家を出ました。
起床から出発まで3時間も何をやってたんだよ、と思われるかも知れませんが、女の子には色々と事情があるのです。

まずはバールで朝食。周りはこれから仕事へ向かう人たちで賑わっていました。


昼前に一旦にキリがつき、新しい眼鏡を作るため、とある町の中心街へ。
僕もアンも目が悪く(【前者】右:-10.00 左:-8.00/効き目: 左 【後者】左右:-6.50かつ乱視-1.00/効き目: 右)、二人ともコンタクトレンズと眼鏡が欠かせません。
両者ともに、夜の入浴の際コンタクトを外し眼鏡をかけ、朝の身支度の時に再びコンタクトを装用します。そのため、夜から朝までは二人とも結構賢そうな顔をしているのに、実は中身はすげぇバカというギャップが生まれるのです。


その後、家に戻って昼食をとり、再び仕事に出かけます。
何人かの人と同時に会う予定だったのですが、その中の一人が遅刻したため、すぐに話を始められず30分ほど待つことに。そのとき、事件は起こりました。

話し合いが行われた事務所はマクドナルドに隣接していたので、僕が、
「ちょっとマックへコーヒー(本当はシェイク)を買いに行ってきます」と言うと、なんと一同の面前で、アンが、
「ダメだよ、一人で行くなんて。一緒に行こう」と言い出したのです。
みんなは普通に「行ってらっしゃい」と僕たちを送り出しましたが、内心、一人でマックにも行けないんだこいつ、と思ったはず。
違うんだ! "sapere能力的には可能" だけど、"potere能力が有効" じゃないだけなんだよ! と、声を大にして言い訳したい気持ちを抑え、アンを従えて事務所を後にしながら、やつがなぜこんな行動に出たのかを考えてみました。

仕事中なのに、
➀マックに行ったきり、そのまま逃げる
②マックで万引きする
③マックで爆食する
...と思ったから。

まぁ、そんな感じでしょう。

会議後、メンバーの数人と外で夕食をとり、帰宅。
朝早く起きたせいか致命的に眠く、リビングに荷物と服を投げ出し、ソファで眠っていると、アンから、
「寝るならベッドへ行け」と、何度か促され、経緯はよく覚えていないものの、終いには、
「2歳児のほうがずっとマシだ!」と怒鳴られました。

その後、どれくらい時間が経ったか分かりませんが、アンがまた僕を起こし、
「ちょっと水を飲んでみよう」とか、
「一回トイレに行ってみよう」とか、色々言ってきます。きっと、ただ単に眠いのではなく、体調が悪いと思ったのでしょう。
そして、それらを全部無視していると、突然、
「こんな状態じゃ明日は出かけられないから、タトゥースタジオの予約をキャンセルしたよ」という衝撃的な発言を耳にし、一気に目が覚めました。

翌日はアンがタトゥーを入れる日で、あんなに楽しみにしていたというのに。

...僕はそんなにひどい状態だったのだろうか?
あいつが過保護なのは、僕のせいなのか?


23日(水)
秋暁や予定は未定今日も雨
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


23日(水) リスケジュール

アンと二人で雑用をこなしつつ、翌週以降のリスケをしました。
最近は雨が降るたびに洪水警報が出て、移動が難しくなったり、観光施設が閉まったりします。そのため、こちらの都合だけでなく、天候にも影響されますが、何とか予定通りに計画を実行できるといいな、と思っています。
中でも、フィレンツェだけは絶対に行きたい。あと、できればローマも。

Vitalibaヴィタルバ

もうやめて ぶどうな仕打ち 夢想する
夜明けのあとの まっさらな朝

24日(木)
神無月?勘弁してよもぅ雨やだ
(季語:神無月[冬]『十月』は秋の季語なのに、なんで...?)

神様がいないなら悪魔でもいいから何とかしてほしい。今日はイーモラへ行く予定だったのに!

エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


24日(木) マロンクッキー

朝。バールで偶然アンの友達と会いました。身長は180センチくらいですが、体重が150キロ近くある彼は、僕を見て、アンに言います。
「相変わらず細いな。もっと食わせろよ」

これからの食事が楽しみです。

それはさておき、スーパーマーケットへ買い物に行ったときのこと。僕は、栗売り場でこんなもの[↓]を見つけました。

栗粉

アンは、ティラミスやマスカルポーネ、カスタニョーラなどはよく作ってくれますが、ケーキやクッキーは率先して作ってくれません。そこで、僕は栗粉を一袋カートに入れ、
「これで作ったクッキー食べたい」と言いました。

そして、午後。クッキーが焼けました。

冷ましている途中だけど、食えそうな温度のやつを取ってきました。なんかいびつだし硬そう。

すると、アンが、
「まだできてないよ」と言います。どうやらレシピには、冷ましたあとチョコレートでコーティングする、と書かれているようです。

こんな感じで

レシピ通りに作ったものが、こちら[↓]

WWW

きっと、お菓子作りは料理よりも美術に似ているのですね。

見た目はちょっとアレだし硬かったけれど、味は悪くありませんでした。
アンは、
「00小麦の割合を増やして、焼く時間を3分くらい短くしたほうがいいな...」と、眉根を寄せていました。
次はもっと美味いやつが食えそうです。


この日の短歌


25日(金)
また雨... でも、今日は『LATINO』第5巻の発売日だ。
本読もう栗クッキーを食べながら
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


25日(金) アマトリチャーナ

Loris M.『イタリア日記』の継続日数(一日も欠かさず55日間)が、紀貫之『土佐日記』に並びました!
その記念...というわけではないのですが、夕食を外で。

前菜のsupplìスップリ
プリーモのアマトリチャーナ

Oh, pomodoro,
guanciale, pepe, olio e formaggio! Mi ero
sognato l’armonia. Ah, quanto adoro!

(日本語訳)
おお、トマト、
グアンチャーレ、胡椒、(オリーブ)オイル、そして(ペコリーノ)チーズ!
夢に見たハーモニー。ああ、どれだけ愛していることか!

プリーモのあとはセコンドを飛ばして、トマトソースのフォカッチャでスカルペッタを楽しみました。
ドルチェのマスカルポーネ(アマレーナとピスタチオ添え)。これらの組み合わせは意外な感じがしたけれど、めちゃくちゃ合う。今度ジェラートでも試してみよう。


26日(土)
一時間 時が戻る夜 冬近し
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


26日(土) アンハッピーバースデー

Loris M.『イタリア日記』の継続記録が、紀貫之『土佐日記』のそれ(一日も欠かさず55日間)を超えました! (記念の短歌)

...また、この日はアンの誕生日。

朝。寝室の前で待ち伏せし、ドアが開いた瞬間『Tanti auguri a teハッピーバースデートゥーユー』を歌ったり、二か月も前に準備した結び文と、母さんから預かったグリーティングカードを渡したりして、やつが照れている様子を堪能しました。

そして、身支度を整え、車で外出。
まずはバールで朝飯を食います。

カボチャのケーキ… じゃなかった、置物。
店内はハロウィン一色。ちなみに、僕たちはいつも飲食後に支払いをしていますが、怒られたことはありません。

朝食後、バールを出て、コイン洗車場へ。
いつもは洗車機を使うのに、この日はなぜか手洗い洗車を選ぶアン。誕生日だし、手伝ってやることにしました。
僕にとって、車の手洗いは初めての体験です。

その後、車用品店で買い物をし、チェゼーナ・ブレーシャ戦を観るためチェゼーナへ。
アンは移動中も、試合までの時間を潰すために寄ったバールでも、自分で撮った "僕が洗車しているビデオ" を見ていました。いったい何がおもしろいのでしょう?

キックオフの時が近づき、スタジアムへ移動します。
そして、ホットドッグを食べているとき、事件は起こりました。

なんと、僕とアンが、周りの人が引くほどのケンカを始めたのです!
場所が場所なのでサポーター同士の衝突だと思われ、警官まで寄ってくる始末。一部始終を見ていたフードスタンドの店員が「違うんですよ」と彼らに説明してくれたため、事なきを得ました。

その後、お互い一言も口を利かずに観戦を始めたのですが...
ケンカとは、エネルギーがいるもの。僕は最上層の席で、試合を観ながら眠ってしまったのでした。

目が覚めるとハーフタイムで、席に座ったままアンに両肩を押さえつけられていました。
やつは、
「下へ落ちるところだったんだよ。帰ろう。こんな状態じゃ観ていられない」と言います。
僕は寝起きだったため、何と答えればいいか咄嗟に判断できず、黙ってそれに従いました。

夜。僕がベッドルームへ行く前、アンは言いました。
「今日はありがとう。君が手紙に書いていたように、たまには(?)ケンカもするけど、一緒に過ごせて俺も幸せだよ」

...誕生日くらい、我慢するべきだったか?
でも、誕生日とムカつくタイミングには何の関係もねぇだろ。それに、どんなときにだって、譲れないことはある。
まぁ、ケンカの原因はホットドッグだけど...


27日(日)
一人より釣瓶落としの冬時間
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


27日(日) パンプキンワールド

冬時間初日、そして、カタカナタイトル週間最終日。アンと二人でMeldolaメルドラのハロウィンイベント、 "Nel Mondo delle Zuccheカボチャの世界で: Magie d'Autunno秋の魔法" に行きました。

小さな町の催しものですが、けっこう賑わっています。全ての顔にモザイクをかけるのが面倒なので、写真に水彩画風の加工を施しました。
お祭りといえば、風船。版権ヤバそうなやつがいくつか紛れ込んでいるので、こちらの写真にも同様の加工を。

アンが風船の束を見上げながら、
「どれがいい?」と聞きます。

「飛行機」と答えそうになりましたが、僕は先月アラサーになりました。大人が飛行機の風船持ってるのはちょっと...と思い直し、
「月」と答えます。

すると、アンは風船売りのシニョーラに、
「月を下さい。あと、紐を何本か結んで、できるだけ長くしていただけますか。彼、自分のが広場で一番高く上がっていないと機嫌が悪くなるので」と言いました。

シニョーラは紐を三本追加し、その先端を僕の手首に結んでくれます。
こうして、僕は恐らくこのイベントで唯一、広場で最も高く上がる風船を買ってもらった日本人成人男性となったのでした。

帰り道。隣を歩くアンに言います。
「なぁ、この風船、僕がいなくなるまで浮かんでるかな?」

「『いなくなる』って何だ。半年間、日本に帰るだけだろ。それに、君はまだ一か月以上こっちにいるんだよ。風船がしぼむ方が先だ」

金の月
銀の月

飛行機じゃなく、月を買ってよかったと思う。だって...


28日(月)
晴れるかな晴れてほしいな秋の山
あの道は、ただでさえ事故が多いから。まぁ、観光中も晴れてほしいけど。
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


28日(月) ここはどこ?

ダンテの墓にはよく行くけれど、生家には行ったことがない... というわけで、僕、アンドレア、カルロ、アドリアーノの4人で、フィレンツェへ。
昼ちょうどに着き、中心街へ入る前に郊外のレストランで昼食をとることにしました。

Googleマップで適当に見つけたレストラン
店内も田舎風で、とても素敵。

席に着き、飲み物を注文すると、ほどなくして水、ワイン、パンが届きました。

トスカーナ州の名物 "Paneパーネ toscanoトスカーノ"

僕は外食の際、よほどのことがない限り、プリーモのスカルペッタまでパンには手を付けません。しかし、トスカーナ風パンが出てくるのはよほどのことなので、ウエイトレスに、
「オリーブオイルと塩をお願いします」と言いました。(←ある程度以上のランクの店では真似なさらないようご注意ください)
すると、彼女は言ったのです。
「置いていません」

...レストランなのに、オリーブオイルと塩を置いていない?

二の句を継ぐべきか否か迷う間もなく、ウェイトレスは踵を返し、僕たちのテーブルを離れてしまいました。
一同、見捨てられた感が半端なく、視線を交わし合います。
...というのも、この店には紙のメニューも、デジタルのそれもないのです。そのような場合、大抵ドリンクを持ってきたタイミングで、注文できるものを口頭で伝えてくれるのですが...

気を取り直して飲み物をグラスに注ぎ、まず、アンがワインを口へ運びます。直後、彼は眉根を寄せて言いました。
「...キャンティじゃないのは、まぁ、目を瞑るとして、水で薄めてるっていうのは...」

それを聞いたカルロも、
「本当に...?」と、ワイングラスを傾けます。そして、アンと同じような顔をして、「 Lidlスーパーマーケット のワインだ」などと言うので、僕は飲みかけていた炭酸水を吹いてしまいました。

しばらくして、ウエイトレスが食べ物の注文を取りに戻ってきます。
それぞれが前菜、プリーモを注文し、アンが、
「フィオレンティーナってあります?」と聞くと、ウエイトレスから、
「ありません」という答えが返ってきました。

フィレンツェ郊外のレストランでフィオレンティーナを置いていない...だと?

アンは、
「じゃあ、グリル焼き...」と、再び口を開きましたが、言い終わらないうちに、ウエイトレスが、
「ありません。ちなみに、ステーキやタッリャータも」と答えます。そして、再び僕たちに背を向けました。

彼女が去ったあと、僕たちは頭を寄せ合って、小声で話し始めます。
「フィレンツェに来てフィオレンティーナなしって... 僕、昨日夢にまで見たのに!」

「このワインは本当にひどい。水だけじゃなくて添加物も... せめてキャンティを頼もうか」

「いや、きっと置いてないよ。それより、ワインを追加するときに『水なしでお願いします』って言おう」(←これが原因で僕はまた吹きました)

文句を言う僕、アンドレア、カルロに対し、唯一アドリアーノだけが、
「まぁ、パスタは美味いかもしれないから...」と、店を庇います。

しかし、プリーモが届き、トリュフのタッリョリーニを一口食べた彼は言いました。
「香りが全然しない。このトリュフ、絶対瓶詰めだ」

一方、僕はキノコのタリアテッレを注文し、とても美味しく食べることができました。なぜなら、採れたてのキノコをあまり好まず、冷凍や瓶詰めのものが大好きだからです。

食後、事もあろうに僕以外の全員がドルチェを注文しました。
デザートワイン入りのティラミスを「悪くない」と言うアンドレアの斜向かいで、デザートワインを批判するカルロ。その横でアドリアーノが、
「このミルフィーユ、Conadスーパーマーケット のだ! 俺、よく食べるから分かるんだけど、全く同じだよ!」と言ったので、僕はまた吹いてしまいました。でも、今度は水を口に含んでいなかったので、よかったです。

料理の写真がほとんどないのは "撮る価値なし" と判断したためですが、実のところ、しゃべるのに夢中だったから... というのもあります。
飯は何を食うかよりも、誰と食うかが大事だというのは、どうやら一理あるようです。食事の内容はともかく、その時間はとても楽しいものでした。


29日(火)
見るだけでテンション上がる赤い羽根
(季語:赤い羽根[秋])

エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


29日(火) ロマーニャ地方のフィオレンティーナ

夕方。差し迫ったハロウィンを前に、HappyMeal のスクイッシュマロをコンプリートするため、マックをはしごすることに。

スケルトン

一軒目でこいつ[↑]を入手し二軒目に移動しましたが、在庫は、すでに持っているものばかり。追加で入荷されることも、もうないそうです。
そんなわけで、残念ながら「黒猫」と「コウモリのコスプレをした犬」を手に入れることはできませんでした。

二軒目のマックではスクイッシュマロの在庫確認をしただけで、何も食べずに店を出ます。
駐車場に停めたフォルクスワーゲンに乗り込むと、アンが言いました。
「メインも外で食べようか」(←一軒目のマックは前菜)

「じゃぁピザ」

「いいね。初めての店に行こう。君はメニューを見たら気が変わるかもしれないけど...」

やつの意味深な発言を適当に流し、店に着くと、メニューを見て気が変わりました。

フィレンツェになかったがある!

アンは満面の笑みを浮かべ、
「気が変わっただろ?」と言い、さらに続けます。
「肉料理が美味いって、話には聞いていたんだけど、来たことがなかったんだ。でも、フィオレンティーナは今度にしような。前菜がマックで、メインに1キロの肉を食べるのはさすがに...」

「なんで? 僕ひとりで食うから大丈夫だよ」

「何が大丈夫なんだ」

...というわけで、

タッリャータを注文。

肉を前に、僕はアンに言いました。
「すげぇいっぱい食うことを "mangiataマンジャータ"、すげぇいっぱい寝ることを "dormitaドルミータ" っていうじゃん? だから、"tagliataタッリャータ" って、すげぇいっぱい切った...っていうか、すげぇ細かく切ったステーキのことだと思ってた。こんな分厚いタッリャータ食うの、初めてなんだけど」

「いや、"tagliataタッリャータ" は、単に『切り分けた』っていう意味だよ。でも、これだけ厚いのは確かに珍しいね。ローリス、いつもみたいに丸ごと口に入れるなよ。切り分けられてるけど、さらに切り分けて食べるんだ、いいね?」

食いかけではなく、上に乗っているやつをよけて肉の断面を写しました。注文通りの「限りなくウェルダンに近いミディアム」。最高に美味かったです。
しかも、フライドポテトやピザとめちゃくちゃ合う。


30日(水)
合同の誕生日会秋土用
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


30日(水) 師を共にする

いつからかは覚えていませんが、毎年、僕がイタリアにいるタイミングで "合同誕生日会" (という名のただの外食)をします。メンバーは、僕(9月生まれ)、アンドレア(10月)、カルロ(11月)、ルイージ(1月)の4人。

この日も例年どおり件の会が開かれましたが、今回は、いつメンに加え、なぜかアンドレアの元カノ(8月生まれ)とその夫(12月)が参加しました。

アンドレアは「別れたあとも友達としての付き合いがあるのは彼女だけだ」と言いますが、僕の目から見ると、やつに対する彼女の態度の冷たさは明白です。昔、二人の間に一体何があったのでしょうか。
まぁそれはともかく、楽しい食事会をすることができたので、どうでも...じゃなかった、本当によかったです。

食べ放題の中華で、6人で70皿近く注文し、写真が残っているものの中では酢鶏が、写真は残っていないけれど食べた物の中ではツナとアボカドの巻き寿司が一番美味かったです。

たとえ誰に否定されたとしても、僕はパイナップルを擁護する。


話は遡って、夕方。アマゾンで注文した Brunettoブルネット LatiniラティーニTesorettoテゾレット』が届きました。
いずれ書くであろう "L'umanaルマーナ Commediettaコンメディエッタ" の詩形は、これをパクる...じゃなかった、参考にしようと思っています。


31日(木)
図書館で資料集めだ冬隣
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


31日(木) ハロウィン

アンとイーモラの図書館へ行きました。

一階には一般書、二階には専門書が置かれています。

目的は、羅⇄伊辞書とウェルギリウスの3作品なので、二階へ。

ガチで学ぶ人のための語学系書籍

この棚で、羅⇄伊辞書を見つけました。

すげぇ分厚い。凶器としても使用可。

こちら[↓]は、上の辞書とは別のもの。

こっちの辞書の方がわかりやすい。貸出不可なので、将来のために表紙と奥付を写真に撮り、値段をメモした。約60ユーロということで、『詩語集』と同程度。万単位しそうな見た目をしているから少し心配したが、そこまで高価じゃなくてよかった。辞書は手元にないと話にならないからな。

二階の本は、ほとんどが自由に閲覧することができません。そこで、受付カウンターでウェルギリウスの3作品をリクエストしました。

この本は貸出可。一か月間は僕のもの。

ラテン語詩を作れるようになろうと決めた当初、来年中に実現し、次にイタリアへ来たときには、その記念に "月桂樹の葉でできた翼" のタトゥーを左足首に彫るつもりでした。(ヘルメスみたいでかっこいい!)
しかし、残念ながら、どう考えてもそう簡単にはいきません。楽観的に見積もっても、バカみてぇな内容の短い詩を書けるようになるまで、2年はかかりそうなのです。
来月、日本に帰ってから基本文法を実用レベルまで持っていき、来年、イタリアに戻ってから実戦経験を積まなければ、作詩は難しいでしょう。
そこに到るために必要な資料を探すのは結構めんどくせぇ...大変なので、今回イタリアにいるうちによさそうなものを見つけることができてよかったです。これで、来年こっちに戻ってきたらすぐに取りかかることができます。


ところで、この日はハロウィン。
図書館を出て、こちら[↓]の店の前で、アンに "Dolcetto o scherzetto?お菓子をくれなきゃいたずらするぞ!" を仕掛けました。

量り売りのキャンディショップ
帰宅後に撮影したのでちょっと減っているけれど、ハロウィン大好き。


キャンディショップを出たあと、昼食をとるため、郊外...というか、山の中のレストランへ。ハロウィン繋がりで、カボチャのトルテッリを食べました。

めちゃくちゃ美味かった。カボチャ大好き。

また、ハロウィンとは何の関係もないけれど、タッリャータも食べました。

「限りなくウェルダンに近いミディアム」と言ったのにレア[↑]だったので、焼き直してもらった。


昼食後、紅葉を眺めつつドライブを楽しみ地元に戻ると、広場でハロウィンイベントが開かれていました。

フードスタンド大好き。

イベント会場は、このまま、諸聖人の日(11/1)と死者の日(11/2)にも使い回されます。


11月2日(土)
晩秋のイベントきっと皆勤賞
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆



【イタリア日記⑦】2024年11月(1~10日)』に続く...