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決定権は韻にあり

イタリア時間、9月30日(月)22時49分、こちらの記事[↓]が投稿された。

早速、こちら[↑]に掲載された浮世絵『歌川国芳 《百人一首之内 蝉丸》』を見ながら、アンドレアと共に一首詠む。


Sì! Sotto il faggio
mangio "Bento-shiumai"!
Poi dopo il viaggio,

"Tsukemono-semmai"...
ah, "Obanzai", semmai...

(日本語訳)
よし、ブナの木の下で
シウマイ弁当(←東国から持ってきた)を食おう!
で、京に着いたら、

千枚漬け...
いや、なんなら、おばんざいを食べよう...

作/訳: ローリス M.

食べたのに韻が踏めれば栗ご飯
(季語:栗[秋])

本当はラーメンがいい季語がねえ
(川柳)

「松じゃない?」「それだと韻が踏めねぇだろ」
(川柳)


Sotto al gran pino 🌲
Si canta e si balla
Otre di-vino 🍷

Lassù... giocano a palla?
Oh nooo... Raccolgon paglia!

(ぅわ、掛詞だ。どう訳そう...?)

(日本語訳)
大いなる松の木の下で 🌲
歌い、踊る
人を酔わせる神の酒 🍷

あの上の方ではボール遊び...?
いや、違う... 藁を集めている!

作: アンドレア M.
訳: ローリス M.

確かに、楽器を持っている人が描かれていると、その周りの人たちは歌ったり踊ったりしているように見えるよね。でも、『藁を集めている』のは、まぁなんとなく分かるとして、『ボール遊び』…??


さて、本記事トップ画像の左側[↓]...

今回は、こちらの詩画[↓]について解説させていただきます。

左に見えるのが、『逢坂の関』。月の光に照らされ、亡霊のような影、もとい人々が関所を通り、それぞれ京へ東国へと向かっています。半端なくでかい木が行く人を見送り、帰る人を迎えている様子が、素晴らしいタッチで描かれていますね。

次に、この絵の作者をご紹介しましょう。

「吾輩は、とある文房具店の陳列窓にいたところ、散歩中のアンドレアに買い上げられた猫である。名前はノワール」 彼はリバーシブルで、この写真では怒った顔をしていますが、裏返すと笑顔になります。


ところで、『関』といえば、イタリアのチェゼーナ(エミリア・ロマーニャ州フォルリ・チェゼーナ県)にも、有名な関所があります。それが、こちら[↓]

Barrieraバッリエーラ Cavourカヴール(カヴール税関障壁)のパビリオン
パビリオンから伸びる道。日曜日に訪れたので、ほとんどの店が閉まっており、閑散としています。
関所ピザ店

中心街を散策しながら、僕は思いました。
「あ、『チェゼーナの関』って、ちょうど七音じゃん。本歌取りして、記事に載せよう」
...こうして、蝉丸に、勝手に挑戦状を叩きつけることにしたのです。

そして、二時間かけて詠んだ歌がこちら[↓]


決戦だ! 椅子取りゲーム☆県都の座
でも、どう見ても チェゼーナのせき

(「関」と「席」を掛けるので精いっぱい...)


※以下、読者、特に紀貫之推しの方をイラつかせる表現が含まれています。ご注意下さい。

貫之には勝ったな、と思っている今日この頃(あいつの『土佐日記』の継続期間は55日。一方、僕はもう30日間続けているし、今回のイタリア滞在中、1日も欠かさず毎日更新できる自信がある。加えて、あいつの日記に載っているのは短歌と舟歌だけ。対してこちらのコンテンツは短歌、俳句、漢詩、イタリア語詩。詩歌の出来栄えさえ気にしなければ、完全に僕の勝ちだ)、それにもかかわらず本歌取りもまともにできないなんて...

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