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やる気を上げる8つのスイッチ【要約】


やる気を上げる"お薬"は1つではない

「やる気が出ない...」「やらないといけないのに...」「やる気があったのは3日だけ...」そんなあなたはやる気を上げるお薬があれば飲んでみたいと考えているのではないだろうか。

仮にあなたが具合が悪く病院へ通っているとしましょう。お医者さんから出されるお薬はいつも同じでお薬の効果を感じられない。診察もろくにせず、「安静にしていなさい。」の一言でいつも終わる。

このお医者さんからすればどんな病気も全て一緒に見えているとしたらどうだろう?

病気にも原因があるようにやる気を上がるにもいくつかの原因があります。適切な処方をするには負の状態を作り出しているさまざまな要因を探り当てることが必要だ。

つまり、私たちも表に現れたさまざまな事象から、いくつかのパターン別に解決策を探っていかなくてはならない。

どこに問題があるのかがわかれば、あとは、心理学ですでに解明された「治療法」が見つかる。

成功をつかむ力-自己効力感-

高度な目標を達成する上で自信は非常に有効ある。特に『自己効力感』が要になる。自己効力感とは「のぞむ結果を得るために自分にはそれを達成する能力がある」という確信。実は自己効力感は4つの要素で成り立つ。

【成功体験】
過去の成功体験を豊富に持っていれば、困難に課題に直面したとしても揺るがない。逆に、成功体験が少ないと少しの失敗で自己効力感は小さくなってしまう。

【他者の成功体験】
他者が達成すると自分にもできそうと思って自信が生まれます。しかし注意すべき点は、熟練するまでに長い期間をかけているのことをわすれないように。簡単に自分にもできると思ってできなければ自信を失いかねない。

【他者からの保証や警告】
「あなたならできる」「そんなことをしてはいけない!」という言葉を他者からもらうこと。しかし、この要素に関しては強力な効果を期待できない。

【その時々な気分】
どんなに自信があっても、不安にかられたり、苛立ってしまうことがある。

では自分にはできると根拠なく信じてあげることは有効そうに見えるがこれには落とし穴がある。

ポジティブシンキングの罠

自信=ポジティブシンキング(積極的思考)と位置付けている人も少なくない。ポジティブシンキングは高揚感と自分を勇気付ける要因にはなるが、罠が仕掛けられている。実はポジティブシンキングには理想の未来を想像すると目標達成の力を阻害してしまう罠がある。

目標達成するにはメガティブシンキングにも目を向けてみる必要がある。何も「私はダメダメだからこんなことできるはずがない」と考えることではない。重要なのは目標達成をする上で考えられる障害を予測すること。

つまり、「難しい目標だが、いくつかの障害が出てきそうだ。障害が出てきたときの対策も練る必要があるな」という批判的な思考を取り入れる必要なある。自信は困難から目を背けることでは得られない。

2種類の思考パターン

これまで自己効力感と自信について話しましたが、成功をつかむ上でそれ以外に重要な要因があります。それは思考パターン。思考パターンは2種類に分類される。

【種類】
・証明マインドセット・成長マインドセット
※マインドセットとは考え方の癖、思考傾向。

証明マインドセットとは

【特徴】
自分はすごいと感じたい。またそのように見せたい、言われたいと強く思っている。自分の弱点を他者に見せることや失敗をすることに極端に怯えている。そして自分と他人を常に比較する。そのため自分に自分の劣っている点をあげ天秤にかけ、「自分にはむり」「できない」と諦める。課題や目標にとらわれすぎていて、道筋やプロセスを楽しむ余裕がないのも特徴。

成長マインドセットとは

【特徴】
自分と他人を比べるのではなく、自分の成長に重きを置く。『すごい人に思われたい』ではなく『すごい人になりたい』という意識。困難に直面したとしても粘り強く頑張る性質を持つ(GRIT)。

ここまでであなたはどっちのマインドセットをお持ちでしたか。次はあなたのタイプを知ろう。

あなたは何タイプ?

人間はやる気からみた8つのタイプに分けることができる。

①中二病
②うざいやつ
③臆病者
④退屈な人
⑤やる気の空回り
⑥まじめな見習い
⑦新星
⑧熟練の匠

それでは8つのタイプの"3つの軸"を詳しくみていきましょう。

1:マインドセット(証明マインドセットor成長マインドセット)
2:フォーカス(道筋・過程を楽しめるか)
3:自信(適切な自信を身につけているか)

①中二病

■『どうせ何をやってもうまくいかない』思考。
■自分自身を失敗に導いている。
■やる気が継続しにくい。
■いつも引っ込みがち。
■人に頼れない。
■自信なし。

②うざいやつ

■自慢が多くいつも注目されていたい。
■中途半端に投げ出す。
■人の意見を聞かない。
■自信あり(傲慢)。
■協調性が低い。
■人に頼れない。
■失敗を隠す。

③臆病者

■褒められても素直に受け入れない。
■良きせぬ事態に弱い。
■自己防衛が強い。
■失敗が怖い。
■いつも不安。
■挑戦しない。
■人間不信。
■自信なし。

④退屈な人

■自分で自分の限界を決めている。
■自分の得意なことしかやらない。
■静かな自信を持ち、注意深い。
■ミスを嫌う完璧主義。
■人に任せるのが苦手。
■柔軟性がなく頑固。
■誠実で几帳面。
■変化を嫌う。

⑤やる気の空回り

■とにかくやってみよう精神。
■困難を乗り越えようとする。
■学びたいという情熱を持つ。
■エネルギッシュ!!!
■自己効力感が高い。
■遂行能力が低い。
■褒めると伸びる。
■楽天的思考。
■能力不足。

⑥まじめな見習い

■要領をつかんでから物事に取り掛かる。
■不安が行動の妨げになっている。
■注意深く、じっくり取り組む。
■仕事に対する熱意は高い。
■困難を積極的に改善する。
■用意周到。
■能力不足。

⑦新星

■少しでも可能性があるものに挑戦する。
■新しい挑戦を生きがいとする。
■尽きないアイディの持ち主。
■目先の利益に飛びつかない。
■取るべきリスクを恐れない。
■長期的な視野を持つ。
■能力・やる気が高い。

⑧熟練の匠

■自分を高めることに注力する。
■チェックを怠らない。
■極端にミスが少ない。
■裏をかくのが得意。
■正確で、効率的。
■自分に厳しい。
■責任感が強い。

あなたはどのタイプに当てはまりましたか?

タイプ別治療法

病名で治療法が異なるようにタイプ別で治療法が異なる点をまずは理解しておこう。

①中二病治療法

【治療法】
ステップ1:まずは、成長マインドセットを持つ意識から初めてみる。
ステップ2:最小限の投資で大きな利益を得ようとしない。
ステップ3:成功=奇跡 / 失敗=リアルと考える。
ステップ4:試行回数を増やしてうまくいった方法と失敗した方法を知る。
ステップ5:小さな成功体験を積み重ねる。小さな成功で喜びを感じられるくらいにまで目標を下げる。

②うざいやつ治療法

【治療法】
ステップ1:まずは、成長マインドセットを持つ意識から初めてみる。
ステップ2:自分の成長に目を向けて、仲間と自分を比較しない。
ステップ3:自分とは違う他者の意見を肯定的に受け止め吟味する。
ステップ4:目先の利益に飛びつくことでどんなデメリットがあるのか考えてみる。

③臆病者

【治療法】
ステップ1:まずは、成長マインドセットを持つ意識から初めてみる。
ステップ2:不安傾向が強く失敗には敏感である点を活かす。失敗しない方法はない。失敗した後の対処を用意しておく。
ステップ3:失敗したときの自分、何もできない自分を受け止めてあげる。自分を責めるより現状を肯定する。次に改善点を探す。
ステップ4:小さな成功体験を積み重ねる。小さな成功で喜びを感じられるくらいにまで目標を下げる。
ステップ5:小さな新しいことに1日1つチャレンジしてみる。

④退屈な人

【治療法】
ステップ1:まずは、成長マインドセットを持つ意識から初めてみる。
ステップ2:安定を保ちつつ得意なことをもっと伸ばせる環境に身を置く。
ステップ3:こだわりすぎず柔軟に他者の意見を取り入れてみる。
ステップ4:失敗したときの自分、何もできない自分を受け止めてあげる。自分を責めるより現状を肯定する。次に改善点を探す。
ステップ5:成功=奇跡 / 失敗=リアルと考える。

⑤やる気の空回り

【治療法】
ステップ1:小さな成功体験を積み重ねる。小さな成功で喜びを感じられるくらいにまで目標を下げる。
ステップ2:計画性がなく、自分を犠牲にしがち。いい人(都合の良い人)にならない。
ステップ3:認められて伸びる一方で、証明マインドセットに陥らないように注意が必要。(例)『〜になりたい!』→『〜と思われたい...』
ステップ4:能力を身につけ、あとは誠実に努力していくべし!!!!!

⑥まじめな見習い

【治療法】
ステップ1:ニュートラルな意見をくれる人間関係を構築するべし。賛成・反対意見を自分にいってくれる真摯なフィーバックを受け取れる人間関係を構築する。
ステップ2:持ち前のネガティブ思考を遺憾無く発揮する。不安傾向が強く失敗には敏感である点を活かす。失敗しない方法はない。失敗した後の対処を用意して、いくつもの矢をもち、最悪の事態に対処できるようにする。
ステップ3:必要な能力を身に付け、自信をつけ、誠実に努力していくべし!!!!

⑦新星

【治療法】
称賛を得ることに動機づけられるため、自分を高められる環境をつくるべし!!!!

⑧熟練の匠

【治療法】
批判を避けることに非常に長けているため、自分の強みをとことん活かせる環境をつくるべし!!!!

まとめ

①成長マインドセットを身に着ける。
②目標を考えるときには成長を意識する。
③今やっていることを批判的に考え、現状をよりよくするために問を立て続ける。
④長期的な目標を達成するために毎日取り組むべきことの目標を立てる。
※達成できなければ、目標値を下げてみる。
⑤他者と比べない。自分の成長に常にフォーカス。
⑥誠実に努力し続ける。成功=奇跡 / 失敗=リアリティ
⑦昨日、先週、先月、昨年と言ったように正しいフィードバックを受け取る。
⑧ギャップを埋めるために必要なスキルを身に着ける。
⑨自分のタイプを知って、最大限力を発揮できる環境をつくる。

いかがでしたが?自分に対する思い込みを外して自分でも少しはできるかもという小さな自信をつけるところからぼくと一緒に始めてみませんか。

参考文献

ハイディ・グラント・ハルバーソン. やる気が上がる8つのスイッチ(Japanese Edition) Kindle 版.

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