人に読ませることのできる詩を書けるようになったのはおそらく、十七歳か十八歳、高校三年生か大学一年生のころのことだと思う。人に読ませることのできる文章を書けるようになった時期とほぼ…
- 運営しているクリエイター
#詩集
詩集『青春』 第四章 約束の日 作品29〜作品31
【作品29】 夜の恨み
にんげんよ
永劫に不幸であれと
きわめて高い声で
いま わたしは叫ぼう
世界は新鮮でなくなれ
わたしの
夜を迎える深い恨み
閉ざされた物語の扉は
もはや 開かれることはない
わたしのなかの
裏切りへの深い憧れ
倫落の淵に垂らされた
重い錘鉛
人間たちの傷は
だれも同じように
赤い血を流すのだろうか
少年のころ
わたしはむしろ
なにも尋ねない子供だった
この世