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動画【パラドックス#23】リシャールのパラドックス!

古代ギリシャ時代から現在に至る多種多彩な「パラドックス」を解説する【パラドックス】シリーズを、YouTube チャンネル「高橋昌一郎」で開始した。お楽しみいただけたら幸い!

第23回「リシャールのパラドックス!」

0 から1の間にある実数を明確に表すことができる日本語の文を「リシャール文」と呼ぶ。たとえば「一の十分の一の数」といえば「0.1」、「一の二分の一の数」といえば「0.5」、「円周率から三を引いた数」といえば「0.14159265…」といった具合にリシャール文が決まる。

リシャール文に番号を付けて並べることにする。並べ方は「リシャール文の文字数が少ない順」として、字数が同じ場合は「あいうえお順」とする。上記の例では「0.1」「0.5」「0.14159265…」という並びになる。ここで、ある実数を「小数点以下第n位の数がn番目のリシャール文で表される実数の小数点以下第n位が0のときには1、0以外(1 ~ 9)のときは0とする数」(リシャール文A)。

上記の例では、1番目の数が「0.1」であり、小数点以下第1位は1つまり0以外なので、Aの小数点以下第1位の数は「0」となる。2番目の数が「0.50」であり、小数点以下第2位は0なので、Aの小数点以下第2位の数は「1」 となる。小数点以下第3位以降の数も同様の手順で「0」か「1」のどちらかに定まる。ところで、このリシャール文Aも当然、リシャー ル文の並びの何番目かに存在していることになる。これを仮にM番目としよう。

すると、リシャール文Aの小数点以下第M位を決めようとしたときに問題が生じる。なぜなら、自分自身の小数点以下第M位の数を参照しなくてはいけなくなり、0か1かを決定できないからである!

なぜ明確に定義されたはずの実数を決定できないパラドックスが生じるのだろうか?

高橋昌一郎(監修)『パラドックス大図鑑』ニュートンプレス、pp. 112-113.

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