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YouTubeチャンネル「高橋昌一郎」開始のお知らせ!
2023年4月よりYouTubeチャンネル「高橋昌一郎」を開始した。その目的は、私と情報文化研究所の研究員が、できる限り「正確な情報」を「わかりやすく、観やすい」動画に制作して配信することにある。
コロナ・パンデミックの影響で、大学では、オンラインのライブ型やオンデマンド型の授業が多くなり、必然的にさまざまな動画を活用する機会が増えた。「文字」に比べて「映像」は圧倒的に情報量が多く、教育的効果も抜群な一面がある。
そこで、学生諸君からも授業内容を動画でアップしてほしいという要望が多くなった。もしライブ授業を映像化できたら、一つ一つの授業を、Jazz のライブ・セッションのようにまとめて、楽しめるかもしれない。しかし、私はディベートとディスカッションを中心に授業を展開しているため、授業風景をそのまま映像化するわけにはいかない。なぜなら、受講生のプライバシーを考慮する必要があるし、何よりも映像化が受講生の自由闊達な発言を委縮させるようでは困るからだ。
したがって、チャンネル「高橋昌一郎」では、これまでに私が上梓してきた50冊以上の著書・監修書や、雑誌・ネットに連載してきた「文字」を改めて「映像」化する作業が中心になる。その責任の所在を明確にするために、あえて私の氏名でチャンネルを登録した次第である。アバターも、可能な限り私の顔に合わせて作成したつもりだが、いかがだろうか……(笑)。
さて、残念ながら、YouTubeには、私の著作から無断で情報を流用・盗用したり、あるいは逆に「高橋昌一郎氏の『フォン・ノイマンの哲学』を紹介します」のように、最初から引用元をハッキリと断っておいて、私の文章を勝手に繋ぎ合わせ、数分にまとめたような安直な動画もある。驚くべきことに、それらの中には数十万の視聴数を稼いでいるような動画もあるが、その大部分は、出来の悪い学生がコピペでまとめたレポートのような内容で、とても観るに堪えない。
たとえば、私が最も驚かされたのは「フォン・ノイマンは、神が存在すると信じていた」という曲解に満ちたタイトルの動画である。たしかに、ノイマンは死の直前、神父の勧めによりカトリックの洗礼を受けたが、その時点のノイマンは、癌が全身に転移して激痛が続き、脳腫瘍のため簡単な足し算さえできない状態だった。
事実上は、死を迎える直前の人生最後の数週間を除いて、ノイマンは53年間の生涯にわたって「無神論者」であり、さまざまな宗教上の伝統や慣習を鼻で笑っていた。だからこそ、彼は「我々が今生きている世界に責任を持つ必要はない」と断言して、大量殺戮兵器の原子爆弾と水素爆弾や大陸間弾道ミサイルを平然と開発できたのである。
というわけで、最初に述べたように、チャンネル「高橋昌一郎」が何よりも重視したいのは、「正確な情報」を、できる限り曲解や誤解を生じさせないように、「わかりやすく、観やすい」動画に制作して配信することである。そのためにはどうすればよいのか、試行錯誤を繰り返しながら配信していくつもりである。
それでも「映像」においては、既存の私の著作の「文字」に比べて、事実誤認や間違いの生じる可能性が高くなるかもしれない。その際には、視聴者の皆様から率直にご指摘をいただけたら幸いである。ミスがあれば、すぐに修正していきたいと考えている。ご意見やご感想など、視聴者の皆様からのコメントをお待ちしたい!
★チャンネル紹介
「高橋昌一郎」のチャンネルです。次の各種動画を提示!
【ロジ研】=NHKウエブ連載「ロジカルコミュニケーション入門」に情報文化研究所けこ研究員・まや研究員がコメント。
【ロジ研ディスカッション】=光文社新書ウエブ連載「視野を広げる新書」に情報文化研究所一般・学生研究員がコメント。
【愛の論理学】=多種多彩な大学生の「愛の相談」を情報文化研究所あい学生研究員と考察。
【パラドックス】=古代ギリシャ時代から現在に至る「パラドックス」を解説。
【天才の光と影】=ノーベル賞受賞者23人の狂気を情報文化研究所めい研究員と考察。
★自己紹介(たかはし・しょういちろう)
國學院大學教授・情報文化研究所所長・Japan Skeptics 副会長。青山学院大学・お茶の水女子大学・上智大学・多摩大学・東京医療保健大学・東京女子大学・東京大学・日本大学・放送大学・山梨医科大学・立教大学にて兼任講師を歴任。ウエスタンミシガン大学数学科および哲学科卒業後、ミシガン大学大学院哲学研究科修了。テンプル大学専任講師、城西国際大学助教授を経て現職。
朝日カルチャーセンター・NHK文化センター・中日文化センター・ヒューマンアカデミーでも講座を担当。
専門は論理学・科学哲学。幅広い学問分野を知的探求!
著書は『理性の限界』『知性の限界』『感性の限界』『フォン・ノイマンの哲学』『ゲーデルの哲学』(以上、講談社現代新書)、『20世紀論争史』『自己分析論』『反オカルト論』『新書100冊』(以上、光文社新書)、『愛の論理学』(角川新書)、『東大生の論理』(ちくま新書)、『小林秀雄の哲学』(朝日新書)、『実践・哲学ディベート』(NHK出版新書)、『哲学ディベート』(NHKブックス)、『ノイマン・ゲーデル・チューリング』(筑摩選書)、『科学哲学のすすめ』(丸善)、『天才の光と影』(PHP研究所)など。
監修書は『記号論理学』『数理論理学』『不完全性定理』(以上、丸善)、『ゼロからわかる論理的思考』『思考の迷宮パラドックス』『ザ・ヒストリー 科学大百科』『図鑑:哲学』『合理性を捨てれば人生が楽になる』(以上、ニュートンプレス)、『認知バイアス事典』『認知バイアス事典:行動経済学・統計学・情報学 編』(以上、フォレスト出版)など。
趣味はJazz・Wine・将棋四段。
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