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働きながら博士号をとる①

はじめに

私は現役の高校教諭として働きながら、
早稲田大学人間科学研究科の博士後期課程に進学し、博士号を取得しました。博士(人間科学)(早稲田大学)となります。
働きながら博士号を目指すことは決して楽な道ではありませんでした。
私が入学当初、想像していた以上に険しいものでした。
しかし、私の人生において、価値あるものだったと思います。
今となってはやってよかったです。
教育現場の経験を研究に活かし、また研究成果を実践に還元することで、学問と実務の双方に貢献できたことに、
大きなやりがいと達成感を覚えています。

この記事では、働きながら博士号を取得するまでの道のりをお話しします。
文量が多くなると思います。
そこで、いくつかの記事に分けてお話しします。

教育現場に限らず、働きながら博士号取得を目指そうとする方のヒントになれば幸いです。


第1章 博士号を目指した原点

私が「いつか博士課程に進もう」と考え始めたのは、早稲田大学教職研究科(現:教育学研究科)の修士課程、いわゆる教職大学院に在籍していた頃でした。

教職大学院では、理論を実践にいかに活かすかが求めらていました。
当時、私は数学教育や、キャリア教育を専門としながらも、教育工学、教育心理学にも強い関心を持ち、「より効果的な授業とは何か?」を追求していました。博士後期課程の指導教官である、向後千春先生が書かれた「統計学がわかる」も愛用しながら研究を進めていました。

教職大学院では、実習校で理論と実践の架け橋を意識しながら、教育現場での課題を研究に活かす重要性を学びました。

印象的だったのは、
教育の実践を科学的に分析し、改善につなげる視点」 です。

現在、学校現場に勤務している身ですが、学校現場では感覚的に「良い授業」「効果的な指導」が語られがちです。

しかし、それを客観的なデータや理論的枠組みで捉えることができれば、
教育の質をより高められるのではないかと考えるようになりました。
いわゆるエビデンスにもとづいた教育です。

エビデンスにもとづいた教育はもっと学校現場に普及していってもいいのにな~と思いながらも、まだ普及が十分でないのが現状です。
(この議論はまた今度したいと思います)

話を戻しまして、教職大学院に私がいた頃、早稲田大学教育学研究科の博士後期課程で、教職大学院を修了してから、研究を進めている先輩が数人いました。

その研究室は学級経営のQUで有名な、河村茂雄先生の研究室でした。
河村先生や、先輩方と関わる中で、初めて現実的に博士課程に行くことを考え始めました。

ただ、大学4年生のときには、幸いにも高校教員の採用試験に合格しておりました。そして、大学院には採用延長制度を用いて修学しておりました。

採用延長制度で大学院に来ていたこと(これは制度で大学院に来ている以上、絶対従うべきだと思います)、実家の岐阜に戻らないと後悔すると思ったこと、祖父との約束などもあり、岐阜に戻り、教師になることを決意しました。
そして、博士号の夢を抱きつつも、博士号を取れていない状態で、岐阜県での教員生活がスタートします。

長くなるので、この続きは次にて書きます。
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