小説家の映画感想文 スランバーランドを見て号泣した話(たった今)

Buenos noches! Loca Hermanaの書斎へようこそ👠

早寝早起きの夫が先に寝た後、最近気になってた映画、スランバーランドを一人で見ました。Netflixで見れますので気になった方はチェックしてみてね。以下ネタバレしますので、注意してください。

灯台でパパ(カイル・チャンドラー)と幸せに暮らしてた女の子・ニモ(マーロウ・バークリー)は、灯台守のパパといつも一緒。勉強もホームスクール(学校へ行かず自宅学習する事。欧米では時々ホースクールを選択する子がいるらしい)でパパに数学とか教えてもらう。パパが大好きで、パパのような灯台守になるのが夢だった。

パパはいつもいろんなお話を聞かせてくれて、昔の相棒であるフリップ(ジェイソン・モモア)との冒険の話とか、まあなんやらかやら教えてくれて楽しそう。そんな幸せな日々だったのに、パパが遭難した船を助けるために船で出たはいいが嵐の夜だったので・・・何とパパは亡くなってしまった。

ニモちゃんは街に住む叔父さん・フィリップ(クリス・オダウド)に引き取られて幸せに暮らしました・・・とはならず、ずっと独身で子供も居ない、鍵会社の社長としてバリバリ仕事してた叔父さんは、突然兄が死んで姪っ子のニモちゃんを引き取るはめになり、子育ての事なんかわかる訳ない。姪っ子にどう接したらいいのか判んない叔父さん、一方ニモちゃんも、一度も会った事無かった叔父さんにそんなすぐ懐ける訳も無い。街で学校に通い始めるが、そんなノリノリで行く気にもなれない。

ある時、不思議な夢を見て、そこでパパの元相棒だったフリップと出会う。彼は夢の世界で好き放題やっていて、潜在意識警察の女グリーン(ヴェル―チェ・オピア)に指名手配されてる。ニモちゃんはフリップと相棒になり、夢の世界の冒険へgo!悪夢の海にある真珠を手に入れれば、夢が叶うから、その真珠を手に入れるために向かったのだ。その後なんやかや紆余曲折あり、ニモちゃんは真珠を手に入れ、亡くなったパパと夢で再会する。フリップの正体は、夢の世界のフィリップ叔父さんだとも判る。

フィリップ叔父さんとフリップはずっと別人格だったが、遂に同化する。ワイルドキャラのフリップが叔父さんの体に戻った事で、叔父さんも親しみやすいキャラになり、ニモちゃんは現実世界が楽しくなった。学校も真面目に行き、友達もできた。最後、叔父さんと一緒に楽しくセーリングをしているところで物語は終わる。

映画終盤から号泣してたよ来年三十路の大人がよ。
ファンタジーによくある、親を亡くして孤児になる主人公。ハリーポッターも両親殺されてるし、ディズニープリンセスもだいたい片親死んでる。
ニモちゃんも最愛のパパを亡くしてしまった。だから、もし子供がこの映画を見たら、きっとニモちゃん目線で物語を考えると思う。多分、子供時代の私もそうだろう。

でも私のようないい大人(特に子供の居ない人)がこれを見ると、フィリップ叔父さんの気持ちが痛い程判る。
フリップによると、ニモちゃんのパパが結婚してニモちゃんが生まれた事で疎遠になったらしい。まあどんなに仲の良い兄弟姉妹でも、どっちかが結婚すれば疎遠になる。私にも三歳下の妹が居る。ニモパパと叔父さんのように、いつも一緒の相棒だった。私が結婚して、疎遠ではないけど、妹はとても寂しがった。
仲の良いきょうだいが結婚すると、まるでそのきょうだいを、結婚相手に奪われたような気持ちになる。そんな訳無いって、判っているのに。きょうだいが、自分といつまでも一緒にいる事よりも、結婚相手=新しい相棒と居る事を選んだような気になる。自分という古い相棒はもう用無しなような気がして。

でも、だからってきょうだいが幸せになる事を邪魔する訳にも行かない。きょうだいと離れるのは、すごく辛い決断。

ずっと独身で子供との接し方も判らない叔父さんが、グーグルで「子供の育て方」と検索しているのを見て、すごく感じるものがあった。もし同じ状況に追い込まれたら、誰だってどうしていいか判らないと思う。血縁者であっても、親以外の人が、子供を育てるのは簡単じゃない。もちろん、実の親でも大変だけど、親を失った子供と一から信頼関係を築くのは、おじやおばであっても、楽な事ではないよね。その上で、成人するまで育てていかなくちゃいけないんだから。大変過ぎて子育てなんか辞めたくなっても、そしたら子供は施設行き。

私は今回、孤児の側だけじゃなくて、孤児を引き取った大人の気持ちもよく判った。それは、私が大人になったと言う事なのだろう。

きっとね。

皆見て、マジ。


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