何者でもない自分のための、何者かになれるWebサービス。 #note感謝祭 2019 に 出展してきました | #マンガでわかるWebデザイン
こんにちは!マンガでWeb技術を解説しています、湊川(みなとがわ)あいです。
このたびお声がけいただき、note感謝祭にブース出展して参りました。
私がnoteを書き始めたのは、2014年 春のこと。noteがリリースされた1ヶ月後でした。
何者にもなれないのではないか?という漠然とした不安
当時の私は、こんな状態でした。
ネット上ではいろんな人たちがそれぞれ得意分野を生かして活躍していて、キラキラして見えました。
かたや自分は、ブログを書こうとしても三日坊主で挫折。大して絵が上手いわけでもない。もっと上手い人はたくさんいる。音楽も好きだけど、ピアノ教室で人並みに習った程度。
人が作ったものを消費するだけじゃなくて、自分自身でも何かを作りたい。創作側に回りたい。
でも肝心の「何か」って何?
それがわからないまま、テレビを見たりスマホゲームをしたりして時が過ぎて行きました。
ゼロからのスタート
とにかくゼロからのスタートでした。
ツイッターもやっていたけれど、当時のフォロワーは学生の頃の友達とよくわからない宣伝アカウントだけでした。
そんなときに pplog というWebサービスがバズっているのを見ました。
一方的に憧れているデザイナーさんが、仲間たちと作った「インターネットにポエムをつづれる」サービスです。
「私も何かを作って残したい」
「誰かの役に立ちたい」
この憧れが起爆剤となり、いよいよ投稿を始めることにします。
ちょうどその頃、noteがリリースされ盛り上がっていたので、ここで更新することに決めました。今でこそ当たり前になりましたが、2014年当時、課金機能があるクリエイター向けのブログサービスは画期的だったのです。
というわけで、仕事後や休日を使ってぽちぽち投稿を初めたわけですが、いきなりうまくいくはずもありません。
最初は「Webデザイナーあるある」と題して、あるあるネタをイラストで更新していたのですが、ほとんど反応がありませんでした。
そこで軌道修正して、「マンガでわかるWebデザイン」シリーズを更新することにしました。
アーカイブを見ると、2014年に81件もnoteを投稿していたことがわかります。特に8月によく更新していたみたいですね。
この頃の私はnote中毒のごとくほぼ毎日投稿をしていました。今よりも頑張ってたような気がします。むしろ狂気でした。
この頃の自分を見習いたい。
noteのクリエイターのみなさんの温かさがあったから描き続けられた
noteが作品を載せる媒体として最適だと思うたったひとつの理由。
それは「noteユーザーは、全員クリエイターである」と明文化されていることでしょう。
全員が何かを作る人。ある人は音楽を、ある人は絵を、詩を、エッセイを、写真を……。
ひとつの作品を作ることに、どれだけ時間がかかるか。公開することに、どれだけ勇気がいるか。それを自分ごととして経験している人だけが集まる場所がnoteです。
だから、通りすがりに「下手すぎ」「ゴミじゃん」「金払って見る価値ない」なんてポイ捨てみたく批判する人が少ない。
正直、初期の私の絵は、見るに耐えないほどの稚拙さです。
でもこの時はやっぱり描くのが楽しかったし、「続き楽しみにしてます」って言ってもらえることがモチベーションになっていました。
他のクリエイターの方とのコラボレーションも、ワクワクしながら作っていました。
過去記事を掘り起こすのはめちゃくちゃ恥ずかしいのですが……
当時の感情の盛り上がりといったらないですね。
この記事なんて本当にひどい(笑)。お前は誰だ。高まりすぎだろと。
そんなこんなでほぼ毎日投稿していたら、半年後に出版社にお声がけいただいたという流れです。
↑書籍化決定の投稿には、スキ250、コメント120件以上がつきました。ありがとうございます。
このように書くと、いわゆるサクセスストーリーに見えてしまうのかもしれません。このご時世、とかく結果に注目されがちです。
「どうやって出版したんですか」と聞かれます。
基本的に描いてただけです。
キラキラの正体は、なんてことない、日々の地道な作業だったんです。
それは私が憧れていたデザイナーさんも同じ。(たぶん)
キラキラの本質はギラギラ。
人それぞれの駆け出しの頃の飢餓感、ギラギラしたもの、線もぐちゃぐちゃで、評価を受けることに臆してビクビク震えている心、その泥臭い過程こそ大切で、注目されるべきという気がしてなりません。
そして、その過程が蓄積されていくのがnoteという場なのです。
「飢餓感」と「品」
家に帰る途中、1年ほど前に聞いた、塩野誠さんと山口周さんの対談での一節を思い出しました。
「現代人に必要なのは、飢餓感と品である」
当時、なぜかこの言葉がやけに鮮明に届きました。
- 何者かになりたいという「飢餓感」
- ひとりひとりがクリエイターであるという「品」
その両方が息づいているWebサービス、それがnoteなのだと思います。
描き続けるきっかけをくれたnoteにありがとう。
創作意欲を刺激してくれるクリエイターのみなさんにありがとう。
私も、「飢餓感と品」を忘れずに創作活動を続けていきたいと思います。
最後に、このような素晴らしいイベントを企画してくださったnoteのみなさん、貴重な事例や知見をシェアしてくださった登壇者の皆さん、仲良くしてくれたお隣のブースの「白いシャツの店 レタル」さん、美味しいハーブティーを来場者の皆さんに振舞ってくださった「soar tea」さん、お越し下さったnoteユーザーのみなさんに心からお礼を申し上げます。
さて、消費するだけだった私は、少しは何者かになれたでしょうか。
もしそうなら、私は今、2014年の何者でもなかった自分に会いたい。
あの時noteを書き始めてくれて、ありがとう。
☘湊川あいが作ったものいろいろ